プロローグ
ライブ会場の惨劇
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昔から人助けが趣味だった。
いや、趣味というかほぼ本能? とでも言うのだろうか、とにかく困ってる人や誰かの役に立ちたいと思うと勝手に体が動いていた。
幼馴染からは呆れた声で「またなの?」と言われるのが常日頃だった。
まぁ、俺は飽きもせず誰かを助けるためにがむしゃらに頑張っていた。
だけど、世界はそんなに優しくないと、あの日知った。
???
プルルルーと携帯の繋がる音がした途端、俺は口早に相手へ不満の声を漏らした。
「未来、お前どこいんの? 会場空いちまうぞ」
『ごめん、いけなくなっちゃった』
「はぁ!?」
周りの人が訝しげに見るほどの声量を出してしまい、俺はジッと見られる視線に平謝りしながら会話に戻る。
「お前が誘ったんだろ、えーとツヴァイ……ツヴァイ……」
『ツヴァイウィング! もう、ちゃんと貸したCD聴いたの?』
すまん、机の上でホコリをかぶってるとは言えず曖昧な返事をする。
ツヴァイウィング、今話題の二人の少女によるボーカルユニット。歌唱力と圧倒的なパフォーマンスで一躍有名になった……ってところまでは覚えているが、あいにくのところ、俺はそこまで歌に興味はない、皆無ではないが未夢ほど入れ込んではいない。
今日だって関係者も合わせると十万人規模のライヴにも関わらず即日完売。未夢が手に入ったのも偶然だというのに、何故か俺と聴きに行くために二枚確保した片割れをくれた。
出発するときの親のニヤついた顔が忘れられない、特にあの親父は何親指を立ててやがったんだよ。
『でもごめんね? 嫌なら帰っても――――』
「ここまで来て帰るのも馬鹿らしいだろ、一応聴いとく。つまんなければ帰ればいいだろ」
申し訳無さそうな未来の声で怒るのも馬鹿らしくなった俺は、片手でひらひらとチケットを泳がす。
まぁ、こんな機会でしか聴かないんだ、聴いといて損はないだろうが――――。
「俺って呪われてるかな」
『バカ言わないで、響が呪われてるわけないよ』
そう言って電話を切った未来の言葉に安堵しつつ、俺こと【立花響】はゆっくりと会場に向けて歩き出した。
???
席について、一応用意しておいたサイリウム? とかいう光る棒を手に持ちつつ期待せずにライヴ開始まで待った。
どうせ歌なんて、この時の俺はそんな失礼なことも考えていた。
けれどライヴが始まり、ステージ上に彼女たちが駆け出し、歌った瞬間世界が変わった。
「「「「「―――――――ッッッ!!!!」」」」」
「あっ……」
観客の歓声とステージ上で歌う彼女たちの声が合わさった瞬間、ブワッと体中から何かが噴き出すような感覚に襲われる。
クラクラと光と歌声に魅了され、いつの
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