暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン78 鉄砲水とシャル・ウィ・デュエル?
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打診する予定でしたから、考えてみればちょうどいいタイミングですわ」
「……ここの男女比でペアデュエル?正気?」
「もちろん、殿方の比率の多さはワタクシも重々存じておりますわ。ですのでパートナーをご所望ならば、少しでも早いうちにアプローチを掛けたほうがよろしくてよ?」

 そう言っていたずらっぽく笑い、小さくウインクして見せる天下井ちゃん。
 ……なるほど、そういうことか。確かにデュエルが絡む話ならあるいは今の夢想も耳を傾けてくれるかもしれないし、これならいかにもデュエルアカデミアらしい口実だ。期限がまだ1週間あるというのも素晴らしい。

「本日の授業後に改めて全校に向けて発表を行う予定でしたが……少しぐらいフライングしても問題はないでしょう。とはいえ、一応は他言無用でお願いいたしますわ」
「任せといて。あ、なるべく早いうちに予算だけ教えてね。ある程度はYOU KNOU(うち)の売り上げとレッド寮運営費から持ってこれるけど、こっちもそれだけじゃ動けないからさ」
「かしこまりましたわ。では、ご武運を」
「では河風先輩は私が……」
「ストップストップストップ葵ちゃん!今はいいから!まだ呼んでこなくていいから!」
「へタレですねえ。私は構いませんが。では、授業がありますのでこれで」
「失礼しますわ」

 軽く会釈し、2人が背を向けて去っていく。手の中にある押し付けられたペアデュエル大会のチラシを眺めながら、彼女を何と誘おうかと思考をフル回転させた。
 ……で、それから3日後。

「助けて葵ちゃん!」

 YOU KNOWにて。臨時休業の紙を扉に張り付けたため、店内はいたって静かだった。そこにいたのはせっせと昨晩作ったクッキー生地の型抜きとデコレーションに精を出す葵ちゃん……と、その目の前で頭を床につけて土下座する僕の2人だけだ。

「えぇ……わかりましたからとりあえず後輩に土下座はやめましょうよ、プライドないんですか?」
「逆に聞くけどさ、あると思う?」
「……軽率な質問でした。でも先輩、気づいてなかったんですか?正直、そこまで深刻に考えることもないと思いますけど」
「えっこらしょっと。というと?」

 若干本気で驚いた風の葵ちゃんの言葉に、姿勢を正して起き上がる。僕は基本的に女子寮には入れないから、その中での話は同じ女子か、あるいは何でも知ってる吹雪さんに頼るしかない。そして、その吹雪さんは残念ながら目下それどころじゃない。

「最近の河風先輩、後ろめたそうな顔で無意味に玄関前をうろうろしては外に出ようとして思いとどまったり、寝不足なのか朝は元気がなくていつも以上に不思議っぷりが増してたりと散々なんですよ。先輩との痴話喧嘩をどこで折れるかのタイミングを計りかねてるんだろうって、今女子寮ではもっぱらの噂です
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