フリードと聖剣エクスカリバー(偽物)
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そうにないわ。ッてなわけでばいちゃ!」
懐から何かを取り出し、地面に向かって投げつけると一瞬目が見えなくなった。閃光か!
目が慣れたころにはフリードの姿は見当たらなかった。相変わらず逃げ足も速いな。
「逃げたか。斬られてねぇよな?」
「・・・・・・大丈夫だよ」
槍を消して手を差し伸べてくれたトーヤ君の手を取らず、僕は立ち上り背を向け歩き出す。
聖剣をフリードが所持してると分った以上、アイツを見つけ出し聖剣を破壊する。
「アイツと再戦すんのは止めといたほうが良いぜ」
ッ。一瞬歩みが止まる。
そのままトーヤ君は話を続けた。
「アイツが持ってるエクスカリバーはお前にとって、憎い代物だろうけど今のお前じゃ勝ち目なんざないぜ? 何か秘策でもあるのか?」
「・・・・・・別に秘策はないよ。ただ、聖剣だけは、僕の力で破壊しないといけないんだ。僕と同じように不良品として処分された同志たちの無念を晴らさないとっ」
「秘策も何もないのに聖剣を壊すのか? あまりにも無謀だ。そんなんじゃ無念を晴らすどころかただの無駄死にだ。そんなことやるのはただのバカだ・・・・・・同志の奴らもお前に復讐を遂げてほしいなんて思ってはいないと思うぞ」
「ッ! 君に何が分る!!」
僕は胸の内にあったものを抑えきれず、トーヤ君に掴みかかった。
「君には分らないだろう!! 聖剣に扱えるものを育てるために、僕たちは人生の半分を神と聖剣に費やしたんだ!! 何度も何度も辛い実験に耐え続け、神のために戦うことが幸せだと信じさせられ続けた! その結果、その結果が聖剣に対応できないだけで不良品扱い・・・・・・僕たちは処分されたんだ」
無意識のうちにトーヤ君の制服の掴んだ手に力がこもる。
「それを・・・・・・何も知らない君が、部外者が口に出すな!!」
トーヤ君を突き放した僕は、荒げた息を整える。
聞こえてくるのは雨の音。それ以外は何も聞こえない。
「悪かった。とりあえず今日の所は家に帰った方がいいぞ。今のお前じゃ確実に負ける・・・・・・それと、今のお前はリアスの下僕、騎士の木場祐斗だ。主の悲しむことはするんじゃねぇぞ」
それだけ言うと、棟夜君は背を向け歩き出した。トーヤ君が去っていく姿を見た後、体が震えた。
長時間雨に当たってたから、体が冷えているな・・・・・・今日の所は大人しく戻ろう。
僕はその場から少し早歩きで移動する。
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