フリードと聖剣エクスカリバー(偽物)
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くれたが、終始ボケっとしていた。試合中、何度も部長が怒っていたけど、それでも木場はどうでもよさそうな感じだった。
部長が怒ってなかったら俺がキレてたと思う。
「・・・・・・・・・・」
頬を叩かれても木場は無表情、無言だった。
・・・・・・な、何だこいつ。本当に木場か? あまりの変貌ぶりに別人のように思えるぞ。いつもはニコニコ顔でイケメンだったのに。
と、木場は唐突にニコニコ顔になるが、何か違う感じだ。
「もういいですか? 球技大会も終わりました。球技の練習をしなくてもいいでしょうし、夜の時間まで休ませてもらってもいいですよね? 少し疲れましたので普段の部活は休ませてください。昼間は申し訳ございませんでした。どうにも調子が悪かったみたいです」
「・・・・・・木場、お前マジで最近変だぞ?」
「キミには関係ないよ」
俺が聞いても、木場は作り笑顔で冷たく返してくる。
「皆心配してるんだぜ?」
「心配? 誰が誰をだい? 基本、利己的なのが悪魔の生き方だと思うけど? まぁ、主に従わなかった僕が今回は悪かったと思ってるよ。話は終わり? 僕は帰らせてもらうよ」
コイツ! 一体どうしちまったんだよ!!
「あのな! これからチーム一丸でまとまって行こうとした矢先でそんな調子じゃ困るんだよ! この間の一戦で、俺たちがどれだけ痛い目に遭ったのか俺たちが一番わかってるだろう!?・・・・・・お互い、足りない部分を補えるようにしなきゃダメなんじゃねぇか? 仲間なんだからさ」
俺の言葉に木場は表情を曇らせる。
「仲間・・・・・・か」
「そう、仲間だ」
「キミは熱いね・・・・・・イッセー君。僕はね、ここのところ、基本的な事を思い出していたんだよ」
突然木場が勝手に話し出した。
「基本的なこと?」
「あぁ、そうさ。僕が何のために戦っているのか、を」
「部長のためなんじゃないのか?」
そうだと思ってた。頑なに信じていた。一人で身勝手なまでに。
それは即否定された。
「違うよ。僕は復讐のために生きている。聖剣エクスカリバー・・・・・・それを破壊するのが僕の戦う意味だ」
木場の強い決意を秘めた表情。
その時俺は、コイツの本当の顔を見た気がした。
木場Side
どしゃ降りの中、僕は傘も差さずに歩いている。
水に濡れた制服が重くなって、肌にくっ付く感触が気持ちが悪い・・・・・・でも、熱の上がった頭にはちょうどいいくらいだと思う。
・・・・・・ケンカをしてしまった、部長と。
自分を救ってくれた主に初めて反抗してしまった。『木場祐斗』としては失格だろう。
けれど、聖剣エクスカリバーへの復讐心を忘れたことなんてなかった。ちょっと学園の空気に呆けてい
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