霧
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その余りにも真剣な顔に息を飲んだがここに来た目的を思い出し口を開いた
「知らせないといけない事があって――――」
「後にしなさい。今は緊急事態だ」
「この霧についてなんです!」
「なに?!」
私の言葉を聞いてやっと慧音は聞く耳を持ってくれた
「この霧は全く無害なんです。だからパニックが広がる前に他の人たちに伝えてほしくて」
「……なるほど、分かった。でもその前に一つ聞いていいか?
何で君がその事を知っている?」
ッ??しまった!完全にその事を忘れていた
私は阿呆か。いくら寝起きでテンパっていたとしてもこのミスはデカすぎる。私が来た次の日に赤い霧が出てきてその事を私が知っていれば私が犯人と疑われる。何か言い訳はないのか?何か慧音を納得できるような言い訳が……
「はぁ……その事は後で聞こう。それでこの霧が無害というのは本当か」
「は、はい」
「分かった。今は君の言葉を信じる。だから今は家に帰っていてくれ」
黙っていた私を見かねた慧音はそう言って人達に霧の事を伝えに行った。私はそれに頷く事しか出来なかった
帰ったら根掘り葉掘り聞かれるんだろうなぁ。
慧音は帰れって言ったが私は今すぐ帰る気はない。別に慧音に夢について話したくなくて現実逃避したい訳では無い。ただ紅魔館に行ってみるだけだ
今回の異変の主犯の拠点に向かおうだなんて狂気の沙汰かと思われるかもしれないが戦闘しに行くわけでは無い。今代の博麗の巫女を見てみたいのだ
幻想郷で人間側の最強は誰かと問われれば真っ先に博麗の巫女の名が挙がるだろう。なんせ幻想郷の調停者だ。弱いはずがない。それに、使う技も陰陽術がベースだろうから参考には丁度いいと思う。勿論、接触はしない。ただそっと木の陰から覗くだけだ。
慧音が心配するから出来るだけ早く帰ろう
そう心に誓って家に向かっていた足取りを紅魔館の方に変える。確か紅魔館は湖の中心の島にあったはず。湖は昨日は知ってる途中でちらっと見た気がするので昨日通った森に行けば見つかるはず
(正直もうあの森には近づきたくないんだけど)
あの森にはこの前私を襲ったルーミアやチルノなどの妖精がうじゃうじゃいる。夢の中ではまるで木っ端のごとく片付得てたが今の私では三妖精と遭遇しただけでもきつい。
今更思えばチルノってかなり強かったのね。頭は残念だったけど。弾幕を避けて反撃出来るだけの知能と博麗の巫女を数分間でも足止め出来たのは普通にすごい。頭は残念だったけど
閑話休題
そんな訳で私は今森の中を歩いている。出来るだけ音を出さず、かつ出来るだけ早く到着するため千鳥足で走るという高等テ
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