異説外伝『知られざる異次元体』
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つ高い情報処理能力があってこそ行える速度なのである。
下手な専用航空機よりも速い事実は、いろんな意味でシュバリエを出し抜いていた。
「エル=ブリジット領地内からつながる地下通路です。ここなら格納施設へ直通しています」
「なるほど、ボルフォッグがいてくれて助かるよ」
特殊な通信機能を用い、ボルフォッグとの電子認証が取れた鋼鉄の門は警戒に横開きする。
延々と続く地下通路の先には、巨大な人型兵器が佇んでいた。
「大河長官、アオイ博士をお連れしました」
「ご苦労、ボルフォッグ」
金色の長髪がなびく壮年の労いに、紫の諜報部員はアオイ博士を大地に降乗させる。
現在の大河には長官という肩書はない。しかし、普段呼び慣れている言葉の方が、彼らには呼びやすくて、親しみやすい。大河に長官付けする理由はそこにある。
「偉大なる勇者達を待たせて何とも思わないのかね」
そうアオイ博士に口を叩くのは、長髪を除けば大河と同じ金髪の堂々たる体躯が隣に立っていた。変わらないフルセットの髭が特徴であるエル=ブリジット領主本人の……
「ハワード……これでも精一杯急いできたのですから容赦してください」
やや疲れたような顔で、アオイ博士は言った。その仕草はどこかわざとらしくも見えた。
世事話をほどほどにして、三人は本題に移る。
新生する勇者王が抱える問題点について――
「スティグマ・バハムート・システム?」
「そうです。無尽蔵にエネルギー供給する独立機関を搭載すれば、深刻なエネルギー切れを防ぐ事が可能です」
第10次ノヴァクラッシュ時、地球製勇者王はその姿をパンドラ達に披露した。
GSライドが発する強大なパワーは、ノヴァのフリージングすら打ち破る成果を残す。
神に匹敵する異次元知性体を下す勇者王としての力は、それなりの代価を支払う形となる。
効率よくブロウクン効果を伝達させるメルティングエネルギー。
空間湾曲制御を上昇させるフリージングエネルギー。
新機軸のエネルギー開発以外に、多くの新武装も搭載されることになる。
プログラムリングの機能を発展させ、バリエーションを広げた結果が、従来の勇者王にない力を与える事となる。
遠距離砲撃のエクステンションファントム。
殲滅飽和射撃のショットガンファントム。
各種Gツール情報搭載のディヴィジョンツール。
特殊兵装可変ウイングのストラトスフェザー。
これらは全て勇者王の根源を極端に絞ってしまう。現在のGSライドでは供給力が追い付かないのが現状だ。
それを解決する為に提案されたのが、スティグマ・バハムート・システムである。
聖痕に秘められたエーテル反応によって、かの聖痕ジェネレーター「フェイラン」をも凌駕する出力が発生できる事実が判明した。
だが、強力無比の力
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