異説外伝『知られざる異次元体』
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UNLIMITED・20『知られざる異次元体』
フリージングファイナルアンリミテッド
UNLIMITED・20『知られざる異次元体』
「知られざる異次元体について……説明をしていただきましょうか?アオイ博士」
緊張と追及を持ち合わせた発言で、幹部は一人の人間を見据えていた。
アメリカ内部に存在するアリゾナ州北部の峡谷、通称グランドキャニオン。
天然の彫刻物に囲まれた防衛組織、対異次元知性体軍部組織シュバリエはそこに位置する。
バイオネットの精鋭を退いで数日が経過した今、人類の防衛組織内はかつてない騒動に見舞われていた。
国際犯罪シンジケート、バイオネットの総帥からもたらされた情報は、各国の首脳陣を騒然とさせた。
まさに、プロフェッサーモズマの思惑通りに事は進んでいた。
「異次元体ノヴァ以外にも、別の異次元体がいるというのか?!」
「過去のノヴァクラッシュにもそんな報告は上がってこなかったぞ?!」
「釈明したらどうかね?!」
あたふたする幹部を余所に、アオイ博士は沈黙を保ったままだ。
事実、アオイ博士に追及すべき事項が多々あるのは間違いない。
ハイエンドスキルの概念を越えた新技術、ハイエンドレアスキルとは?
60年前に消えていった、あの黄金の勇者は?
あのアオイ=カズハの正体は?
二人はなぜ戦っていた?
そして……知られざる異次元体とは何か?
Eパンドラ計画発動の前哨として、アオイ博士の舌戦が行われようとしていた。
(ふっ、下手な小細工を幾らか用意しておいて正解だったな)
各国の首脳陣は固唾を飲み、彼の言葉一つ一つを脳裏に記憶していく。
そう……
すべては……
あの異次元体が発端なのだ……
ノヴァが地球に現れて、人類と抗争関係にまで発展したのは……
T
時は2061年、世界が停止したあの日。
知られざる異次元体の咆哮によって、全ての生命は停止に追い込まれる。
フリージングした世界はまるで、神様に見捨てられた箱庭のようでもあった。
死者も生者もいない、根本的物理法則が止まっている世界。
たった一人だけ、フリージングから逃れたアオイ=カズハもこの不思議な世界に感情が囚われていた。
「……ここは?カズヤ?キム先輩?エリズ先輩?」
震える声で、一人の少女は声を発した。
返ってくるのは、極小に反射されて自らの声のみ。
決して寒いわけではない。だけど震えるのは何故?
「誰か……誰かいないの?」
怖い気持ちが高まっていく。抑えきれない何かがカズハの心を満たしていく。
恐らく助かった人はいないだろう、カズハには薄々分かっていた。
ハイエンドレアスキル、武装強化の
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