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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十七話 傀儡皇女を即位させます。
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に誘ってワインを傾けながら尋ねたのである。ほどなくして彼自身はフェザーン方面に出向かなくてはならないため、こうして二人で過ごすこともしばらくなくなるであろう。
「ブラウンシュヴァイクの動向か?」
ヘテロクロミアの青年提督はワイングラスを揺らしながらその血のように赤い液体を眺めている。
「そうだ、何もブラウンシュヴァイクを脅威と思っているわけではない。だが、フォーゲル、エルラッハ、シュターデンと言った能力的にはさほど脅威とみなされない手合いの行方が分からぬうえ、ゼークトまでもが消息不明とあっては気にならないという方がどうかしているではないか?むろん、ブリュッヘルの動向も気になるところではあるが。」
「うむ、仮に卿がブラウンシュヴァイク陣営に属し、全軍を動かしえる立場にいるとする。卿はどう挑む?」
「嫌な質問をするな。」
ミッターマイヤーは苦笑してワインを飲み干し、親友のグラスと自分のグラスに注いだ。
「一つ手があるとすれば、戦力をうまく分散させ、各個撃破をもくろむことだろう。大艦隊同士の決戦は一見すると勝ち目はありそうな風に見えるが、実際のところ烏合の衆の貴族連合と正規艦隊とでは練度に差がありすぎる。ならば一個艦隊の精鋭を選出し、同時に陽動部隊をもって各方面に戦力を散らす。後は手近な敵を逐次各個撃破していけば――。」
ミッターマイヤーの手が止まった。
「まさか――。」
「そうだ、卿の考えているように、敵もその手を思いつかなかったとは考えにくい。ましてブラウンシュヴァイク陣営にはフロイレイン・フィオーナらが警告しているベルンシュタインが所属している。可能性はあるとみていいだろう。」
ロイエンタールはワインを飲み干し、今度は自分で自分のグラスとミッターマイヤーのグラスに注ぐ。黒ビールの時でないにしても二人の酒量はこの程度の物で乱れるものではない。
「そのフロイレイン・フィオーナだが、いよいよミュラーと結婚をするらしいな。」
ミッターマイヤーの言葉にロイエンタールはかすかに眉を上げた。
「そうか。」
「何も卿をけしかけているわけではないぞ。フロイレイン・ティアナとは相変わらずの付き合いなのだろう?」
「俺は奴に対してどうこう思うところはない。奴の方が俺に付きまとっているのだ。まるで死神のようにな。」
「誰が死神ですって?!」
元気な声が戸口でした。二人が振り返ると、困ったような笑みを浮かべているエヴァンゼリンとその傍らに立つティアナの姿が見えた。
「あなた、ヴォルフ。フロイレイン・ティアナがお見えですわ。」
「何の用だ?」
いささかも動揺を見せずにロイエンタールが平然とワイングラスを傾ける。
「ここにいると聞いてやってきたのよ。フィオの結婚式、あなたたちも招待されているのでしょう?」
「結婚式か、片やブラウンシュヴァイク
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