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憂いの雨と陽への祈り
初めての男子会
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ポテンシャルは垣間見た限りでも双剣を遥かに凌駕している。 スキルの優劣だけが勝敗を決める要素でないことは確かにしても、勝敗を決める要素のひとつであることも確かなのだ。
「だから戦わない。 それに、戦わなきゃいけない理由もないしね」
更に言うならこちらの手の内をこれ以上見せるわけにもいかない。
ユーリさんとシィさんのことを好ましく思っているのは本当だけど、それと敵対しないこととは同義ではない。 どうやら僕が《戦慄の葬者》としてなにをしていたのかは知っているらしいけど(まあ僕の悪行は有名なので隠しようもない)それでも直接的に非難も忌避もしないのは単純に2人の関係者に手を出していなかったからだろう。 短い時間しか交流していないとは言え、2人が非常に仲間思いで善良な人格であることは理解している。 もしも2人の関係者に手を出すようなことがあれば……もっと直接的に言えば、2人の関係者を殺せば、途端にこの人たちは僕を敵として認識するだろうし、敵はどんな手段を以ってしてでも排除しにくるだろうことが明白すぎるほどに明白なのだ。
その点で言えば、2人は僕にとっての潜在敵と言い換えられる。 もっともそれは、2人にとって僕が潜在敵だと言っても正解だ。
敵になり得る相手にこれ以上手札を見せるわけにはいかない。 双剣や爆裂を知られただけで隠し球も切り札もまだまだあるんだけど、だからと言って軽々に開示して良いものでもないのだ。
「僕たちのスキルのことはこれ以上なにも教えないよ。 その代わりユーリさんのスキルについても聞かない。 今は、それでいいんじゃないかな。 痛い腹の探り合いをしても不毛だよ」
「お前のそう言うとこは嫌いだ」
「ユーリさんの物分りが良いところは好きなんだけどね」
「言ってろ」
そして互いにコーヒーに口を付けて間合いを取る。 和やかな雰囲気を装った探り合いと線引きが終わった。 僕もユーリさんも互いの領分を踏み越えない不干渉条約を取り決めて、今はそれで良いだろう。
「ひとつだけ、良いか?」
「うん?」
と思っていたらユーリさんが口を開く。 どうしても気になることがあるのか、言っておきたいことがあるのか。 どちらにしても僕としては聞いてあげる理由はない。
ないんだけどなぁ……ユーリさんには恩があるし引け目もある。 ここで突っ撥ねることはできなかった。
ので、視線で先を促す。
「お前、アマリと仲直りできたのか?」
「……ユーリさん、アマリのことを随分と気にしてるけど、もしかしてもしかするの?」
「ねーよ。 ただなんつーか、ちみっこいのがちょこちょこしてるの見るとほっとけなくてな。 それにあいつは一応命の恩人だ。 気にするなって方が無理だろ?」
「命の恩人?」
「な
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