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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
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た丈の長いカーディガンとグレーのタートルネックニットだ。 肌触りがチクチクしないように作れるようになったのは最近なので、これは割と本気で感想を聞いておきたい。
そして狼耳を気にしているユーリさんに対する配慮として、大きなキャスケット帽も用意した。 と言うか、このコーディネート自体がユーリさんの耳と尾を隠すためのものだ。
ゆったりとしたシルエットのパンツなのでその中に尾を隠すように履き、丈の長いカーディガンでどうしても膨らんでしまう部位を隠す。 更にカーディガンの上から細身のベルトを締めることにより、ダボっとしてしまう全体のラインを引き締められる。 キャスケット帽は言うに及ばず。
惜しむらくはユーリさんの髪の色と合わせるとどうしても白系統の服になってしまうことで、本人の好みの色からは離れてしまっていた。 この辺りはキチンと確認しなかった僕のミスなので文句を言われても素直に聞ける。
ついでとばかりにアンクル丈のブーツを取り出すととても安堵した表情のユーリさんと目が合った。
「マトモだ……コスプレじゃない……」
よくわからない感動の仕方をされたけど、そこはまあ触れないでおこう。 彼の普段の心労を思えばわからなくはない。 強く生きて欲しいものである。
他人事気味に流しつつ、僕はユーリさんに笑顔を向ける。
「と言うわけで着替えてきてね」
「おう。 助かる。 待っててくれ」
嬉しそうな足取りでリビングから出て行ってしまう。 恐らくは自室に向かったのだろう。 僕の思惑を知らずになんとも単純なことだ。 と言うか、普段が普段すぎて服に関しての警戒心が緩みすぎているのかもしれない。
「ま、いっか」
何も言うまい。
そして数分後。
「ユーリが普通に女装してる??」
「あ、こらシィさん、それは……」
「おいフォラス! それどう言うことだ!」
「騙される方が悪い」
「開き直るなぁ!」
「あ、もしかして口車に乗せて騙してた最中だった?」
「って言うか簡単に騙されたよ。 ちょっとちょろすぎないか心配になったくらい」
「お前ら……」
自己嫌悪に打ち拉がれるユーリさんと、それを愉しげに眺める僕とシィさん。 そんなこちらを他所にマフィンを無心で頬張っていた。 どうやらあれが随分と気に入ったらしい。 後でレシピを教えてもらおうと、そんなことを思いながらまた笑うのだった。
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