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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
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ね?」
クスクスと笑ってみると思いっきり顔をしかめられてしまう。 僕が優しい男の子だったら良心の呵責で苦しむところだけど、生憎とそんなものは持ち合わせていない。 と言うわけで少しずつ追い詰めていくとしよう。
ちなみに視界の端ではシィさんとアマリの睨み合いが発生していた。 もちろん険悪になるのなら止めに入るつもりではいるけど、どうやらそうはならないらしい。 睨み合う両者の間にあるのはユーリさんお手製のマフィンで、それを取り合うために互いが互いを牽制しているようだ。 平和な睨み合いは見ていて和む。
「ユーリさんが約束を破るような人なんて知らなかったなー。 あ、唐突に、つまり偶然思い出したんだけど、最前線から突如として姿を消した《舞姫》さんの情報を必死で集めてる人がいるって知ってる?」
「脅迫か?」
「いやいや、独り言だよ。 攻略組は慢性的に人手不足だって嘆いてたなーとか、有望なプレイヤーを紹介してって言われてたなーとか、そんなことを思い出してただけ」
「それを脅迫って言うんですけどねぇ!」
「しかもその人は行動力が凄まじい上に強気だから、舞姫さんの居所を知ったら面ど……楽しそうなことになるよね」
「言い直してより酷くなってるじゃねえか!」
「ああ、そう言えばその人と僕、フレンド登録してるんだっけ。 最前線から退いた舞姫さんの腕が衰えてなくて、しかも今目の前にいるって教えてあげたほうがいいのかな?」
「…………」
そこにあるのは警戒だった。 苛立ちじゃない辺り、ユーリさんの優しさが窺える。 そして真っ先に警戒するのはその聡明さの証左だった。
ユーリさんが警戒しているのは、あのデュエルの最後に使った僕の知らないスキルに関して問われると思っているからだろう。 スキルの情報は生命線であり、その重要度は計り知れない。 ならばこそその警戒は当然だった。 更に言えば僕がその手の情報を見過ごさない人格だと理解していることも示している。
不確定要素を取り除き、ありとあらゆる可能性を思考し、全ての危険性を網羅し、対抗策を講じる。
それが僕の方針であると、余さず理解しているのだろう。
けど、その認識は完全とは言えない。 僕と言う人間を少しも理解できていない。
「無言は肯定と取るよ」
「だあもう! いいぜわかったよ! なんでもするからここの場所を誰かに言うのはやめろ!」
「じゃあユーリさんは今日1日僕の奴隷……じゃなくてオモチャね」
僕は、悪ふざけをする時は徹底的にふざけるのだ。 今はシリアス休業中である。 思いっきりふざけると決めていた。
「こう言う場合は1個だけだろうが」
「『僕の言うことを1日絶対遵守』。 ほら、1個だよね?」
「くっ……屁理屈って知ってるか
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