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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
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手を振りつつまた奥に戻って行ってしまう。
が……
「おい待てやゴルァ!」
素晴らしい速度で伸びた手がシィさんの首根っこを捕まえた。 一瞬の早業過ぎて僕の動体視力を以ってしても挙動の起こりが見えなかったほどだ。 さすがユーリさん。 突っ込みを入れるタイミングだけは絶対に逃さない。
「シィお前、こいつらにここの場所教えるとかどう言うつもりだよおい馬鹿シィてめえこの野郎!」
「野郎じゃないんだけどなぁ……」
「そう言うことじゃねえよ!」
「元気だね〜」
もう一度欠伸を吐き出し、それで寝るのを諦めたのだろう。 ユーリさんの首に抱きついて脱力してしまった。 完全にユーリさんに体重を預けている状態だ。 最早シィさんはユーリさんの付属品と化している。
「やっほー、お2人さんいらっしゃーい」
「うん、やっほ」
「やっほですよー」
「で……てめえらなんで普通に挨拶してんだよ??」
「なんでって、友達だから?」
「……俺らを友達って思ってたなんて知らなかったぜ」
「ん? 照れてるのかなぁ?」
「おやおやぁ、ユーリ照れてるぅ?」
「あはぁ、照れてるですねー」
「う る せ え !」
今日も今日とて楽しげなユーリさんの絶叫が木霊した。
「そもそもどうやってシィと連絡とったんだよ? あいつ、神出鬼没な上に昨日の今日じゃねえか」
「ユーリさん知らないの? SAOにはメッセージ機能が実装されてるんだけど」
「いやそりゃ知って……待て、お前、あいつとフレ登録したのか?」
「うん。 同じ裁縫スキル持ちとしては興味があるからね。 良質な素材とか実入りのいいクエストの情報とか、そう言うのをやり取りしようと思うとフレンド登録するのが楽だからって、牢屋に入れられてたタイミングで」
「それで『友達』か。 まるっきり打算だよな、それ」
「まあ個人的に好ましく思ってるのも否定しないけどね」
「そうかよ」
ハッと鼻で笑われてしまう。 どうやら僕に気に入られている自覚はないらしい。 あるいは僕が誰かを気にいるようなことはないと思っているのか。 半分くらい正解だからなんとも言い難いところだけど、そう思われているのは少なからずショックである。
ショックである。
なので、ユーリさんイジメを敢行しよう。
「それに好都合ではあったよ。 そうでもなかったらユーリさんを捕まえるのは難しかっただろうからね」
「……俺に何か用か?」
「とぼけてるね。 それともそうやってなかったことにしてれば僕が忘れるとか思ってるのかな?」
「…………」
「デュエルの敗者は勝者の命令に絶対服従。 この条件を出した本人がまさか踏み倒そうなんて思ってないよ
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