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憂いの雨と陽への祈り
人狼と葬者
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ている。 ユーリの攻撃を回避すると同時に次の攻撃に対するだけの体勢が整えられている。
弾くでも受け流すでも防ぐでもなく、ギリギリで躱されているのがその証左。 ギリギリの回避は即ち無駄が一切省かれていることを示しているのだった。
そこからの展開は一方的だった。
見ている限り攻勢に出ているのはユーリだ。 怒涛の攻め。 巧みな連携。 神速の斬撃。 抜刀術スキルを使ってはいないまでも、それでも全力の攻撃の数々を絶え間なく繰り出し続けている。
しかし、その悉くが届かない。
全てを回避し続けることはできなくなったようだが、とは言えユーリの攻撃がフォラスに直撃することはない。 掠めたり、あるいは真っ向から防がれたりでダメージは入るものの、しかしそれもすぐにバトルヒーリングで回復されてしまう。
ユーリにとって目下最大の障害は薙刀のリーチだった。
それもそうだろう。 リーチの差はそのまま防御の厚さに繋がっている。
フォラスが有する薙刀は3m近くもあり、刀の倍を楽々と超える。 その斬撃を回避してフォラスの懐に飛び込むが、その頃には既に次撃の準備がされていて、万全の体勢から繰り出される拳打や蹴打、あるいは柄を用いての棒術紛いの攻撃で間合いの外へと弾き出されてしまうのだ。
鉄壁。
そんな単語が頭を掠める。
どう言うわけか先程からフォラスから攻勢に出ることはない。 攻め込むのはユーリで、動き回っているのもユーリだ。 攻撃がまるで届かない現状は否が応でも音もなく精神が削られていく。
「そろそろお疲れかな? 動きが鈍ってきてるよ?」
「さあ、どうだろうな」
「強がりだね」
小馬鹿にしたように笑うフォラス。
勝ち目は万に一つもないが、しかしユーリには負けられない理由があった。 いや……正確には『負けたくない理由』か。
バトルジャンキーなユーリだが、フォラスに喧嘩を売った理由は強者と戦いたいと言う欲求に依るものではない。 完全に皆無かと言えばそんなこともないが、それがメインの理由ではないのだ。
ユーリはお人好しだ。
照れているのか本人は頑なに認めないし、普段のぶっきらぼうな調子からそうと知っているものは少ないが、ユーリはお人好しなのだ。 情に厚く、根は優しい。
そんなユーリだからこそ認められなかった。 そんなユーリだからこそフォラスに喧嘩を売った。
「いい加減諦めたらどう?」
「ふざけろ」
「……そもそもなんでこんなことしてるのさ? 戦いたがりなのは知ってるけど、ユーリさんって自分から喧嘩売ったりしない人じゃなかったっけ?」
「てめえがガキだからだ」
言って、再び突貫する。
進路を塞ぐように薙刀の刃が迫り、半ば無理矢理鍔迫
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