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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
小規模な諍い
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そろ終わりになるだろう。この階層でボスとの連戦があるのならゲームバランス的に微妙なものになり兼ねないので、恐らく戦闘はないと思う。 少なくともボス戦はないはずだ。
「おぉー」
「うへぇ」
先行していた女子2人の乙女らしからぬ声の正体は数瞬遅れて判明した。
通路の先。 シィさんに見せてもらって記憶した限りそこは行き止まりで、実際にそうなっていた。 そして、その部屋の半分を見たこともない複雑な紋様が刻まれた岩によって閉められていた。 状況から鑑みるにこれが例の装置だろう。
装置と言いながらも自然物なのかと一瞬首を傾げたけど、よく見れば岩のような外観をしていても人の手が加わっているのは一目でわかる。 多分、浮遊城から消失してしまった魔法的な技術の残滓を集めて作り上げたものなのだと思われた。 言ってしまえばオーバーテクノロジーか。
「これ、どうやって止めるんだっけ?」
「さあ? ぶっ壊せばいいんじゃないかな」
「んな投げやりな。 エルちゃんなにか言ってなかった?」
「『操作法がわからないのでお任せします』って言ってたよ」
「ってことは投げやりなんじゃなくて正解だったんだ……」
このメンバーの中で破壊に特化しているのはアマリだろう。 ついと視線を投げると既に準備万端のようで、でぃーちゃんを構えて口端を吊り上げていた。 早くやらせろと全身が語っている。
「と言うわけでアマリ。 お願い」
「はいですよー」
言うが早いか岩に向かって踏み出し、ズッとでぃーちゃんを振りかぶった。 さり気なく3歩ほど後退したのは僕とユーリさんだけで、シィさんは動くことなくその様子を眺めている。
振りかぶり、紅蓮の光を灯すでぃーちゃん。 ユーリさんは有無を言わさず無言のままシィさんの首根っこを引っ捕まえ、グイッと引き寄せた。 不満げに振り返るシィさんの抗議の目線を無視する形でアマリの後ろ姿に視線を集中していると言うことは、やっぱりこれから何が起こるのかを正確に理解しているからなのだろう。
爆裂。
言語不要の圧倒的暴力が岩と周囲の空気とを蹂躙し、先程までシィさんが立っていた地点までを丸々と飲み込んだ。 さすがのアマリも威力をかなり抑えているらしく、あそこに立っていたからと言ってダメージは受けないけど、それでも爆風の煽りを受けるのは間違いなかった。
――と言うかユーリさん。 もしかして爆裂の効果範囲をある程度は理解し始めているのかな……
だとすれば危険である。 今後、もし彼と敵対した場合、こちらの手札のひとつが読まれていることになってしまう。 ううむ、対策するべきだろうか?
僕の思考を他所に噴煙が晴れる。
立っていたアマリは回転さながらに振り返り、退がっていた3人にVサインを
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