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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
小規模な諍い
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ユーリさん。 イチャついてないで先に進もうよ」
「イチャついてない!」「イチャイチャの邪魔すんな!」
こうして綺麗に息の合ったカップルを見ると本当に気分が沈む。 自分にできないことを他者に求めるのは不実と言うけれど、自分にできないことを他者がしている状況を見せつけられるのは眩しすぎた。
「僕、クエスト終わらせてゆっくり休みたいんだけど」
「とか言いながらちゃんと待ってるんだから結構お行儀いいよねー」
「忘れたの? クエスト終わらせるには2人の協力が多分必要になってくるんだって」
「そんなに機嫌悪いならちゃっちゃと本人にぶつければいいのに」
「本人? ならぶつける相手はユーリさんになるけど」
「ふざけんな。 こっちはお前んところの鬼嫁に散々振り回されたんだぞ」
「それを言われると耳が痛いよ。 まあお互い様だろうけどね、この場合は」
「まったくだ」
フンと鼻を鳴らしてユーリさんが僕の隣に立った。 間近で見ると耳がピコピコ動いているし尻尾はフワフワだし、中々に面白い。 本人が至って真面目な顔をしているので一層。
「俺たちは外野だからとやかく言わねえけど、お前、もう少し素直になってもいいと思うぞ」
「十分とやかく言ってるよね、それ」
「茶化すんじゃねえ。 ったく……どっちかが折れなきゃいつまで経ってもこのままなんじゃねえの?」
「それはまあ、そうだろうね」
「それがわかってんならさっさと謝れよ。 それで解決じゃねえか」
「とは言えそんな簡単じゃないんだよね」
「簡単だろうが」
ズバッと、一刀両断で断言された。 しかも鼻で笑われるおまけ付き。
「お前たちがそんな単純に恋人だの夫婦だのって括れるような関係じゃねえのは察しがついてるけどよ、お前は許してほしくてあいつは許したがってんだ。 だったら簡単なことじゃねえか」
「アマリが許したがってればね」
「ああ言えばこう言いやがって……」
処置なしと言いたげに頭を掻いてユーリさんが唸る。 シィさんに至っては苦笑いで呆れている。
とは言え、今はクエストを終わらせることの方が先決だ。 これ以上ここで時間を無為に過ごすのはあまり楽しくはない。
「もう何度も言ってるけどさ、先に進もうよ。 どうせ着地点も妥協点も僕とユーリさんとの間にはないんだから」
「……だろうな。 おいシィ、行くぞ」
「ほいほーい」
ようやく諦めてくれたのか、シィさんを伴って歩き始めたユーリさん。 その背中を見送っていたらアマリと目が合って、そしてすぐに逸らされた。 そのままユーリさんたちの後を追ってパタパタと走り去られてしまう始末。
ううむ、本格的に気分が沈む。
「まあ、どうにしようもないよね、こればっかり
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