暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
8時じゃないけど全員集合
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はもちろん、ここにいる4人は相当に戦力過多だ。
 僕とアマリに関しては言うに及ばず、シィさんにしろユーリさんにしろ攻略組から退いて長くともその戦闘能力は攻略組と遜色はない。 いや、むしろこの世界トップクラスと言える。

 「戦力的には問題なし」

 これは考えるまでもない。

 「相性的にも……うん、アマリとユーリさんはそれなりに相性がいいみたいだね」

 ……すっごく業腹だけどね。

 「ヒースクリフの出した条件も2人が攻略組でないから問題なし」

 つまり、全ての問題点はクリアだ。 クエスト進行に纏わるあれこれも大まかに推測できている。 事前情報と今までとを加味すればクエスト進行率90%と言ったところか。 残っているのは事後処理でしかないと思う。

 だから問題は……

 「この2人が敵か否か、か……」

 敢えて声に出して言うとユーリさんの肩がピクリと跳ね、腰から外して膝の上に乗せていた刀の柄にさり気なく指を這わせた。 その瞳の奥に仄かな光が灯ったのを僕は見逃さない。

 「やっぱり聞こえていたみたいだね。 そのケモミミは伊達じゃないってことかな?」
 「ちっ……」
 「わかりやすい反応をどうもありがとう。 強化されているのは聴力だけってこともないんでしょ」
 「……さあな」
 「こっちのことをこれ以上詮索しないのなら僕もこれ以上の詮索はしないけど?」

クスクスと笑うと実に嫌そうな顔をしてくれる。 シィさんに至っては苦笑いに呆れ笑いをブレンドした実に微妙な表情だ。

 「お互いに領分は守ろうよって言う話しさ。 安心してくれていい。 君たちが無関係不干渉を約束してくれるなぐぇ!」

 そしてニコニコと不可侵条約を一方的に突きつけようとしたところでアマリの手刀が僕の喉に炸裂した。 しかもダメージが発生しないギリギリの境界を見極めて、だ。

 「あ、アマリ?」
 「だめですよー」

 目を覚ましたアマリはほわわんと笑い、緩く首を振った。

 「ユーリちゃんを虐めるのは許さないです」
 「…………」
 「おやおやー、もしかしてアマリちゃんってばうちのわんこにご執心?」
 「うに? うー、ユーリちゃんは面白わんちゃんです。 だからいじわるしちゃだめです」
 「おい待てこら俺は面白わんちゃんじゃねえぞ」
 「私のペットはあげないZE」
 「お前のペットでもねえからな??」

 3人の楽しいお喋りを聞きながら僕は微妙な気分になっていた。 それはもう正しく微妙。

 まあ、いいか。
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