暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
地に伏す桜色
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でAGI型のユーリでも問題なく担ぐことができた。 庇おうとした時に感じた重さはその()()()の金属装備の重量だったのだろう。 服だけになったアマリの身体はあれだけのパワーを生み出しているなんて信じられないほどに軽く、そして柔らかかった。
 背負ってではなく肩に担いでだったので、それを堪能するような状況でもなかったが。
 言ってしまえば荷物と同様の運搬方法だ。 色気も何もあったものではない。

 「ったく」

 やれやれとため息を吐き、アマリの傍に腰を落ち着けたユーリだったが、その表情は口調ほど苛立ってはいない。

 「別にこいつのためじゃねえけどな。 さすがに放置ってのが嫌だっただけだ。 ついでに人を薄情者扱いしやがったこの馬鹿に文句のひとつも言ってやるためであって、断じてこの馬鹿のためじゃない」

 もう一度嘆息してアマリの頭をポカリと叩く。

 「我ながら誰に向かって言い訳してるんだろうな……って、言い訳じゃないぞ! 本心だからな!」

 全く以って誰に言い訳をしているのやら。

 なんだかんだ言いながらお人好しなユーリは、アマリのことを既に保護対象として認識しているのかもしれない。 本人は真っ向から否定するだろうが(耳と尻尾を突き立てて、だ)、身内を相手にすると非情に徹しきれないのがユーリだ。 甘いと言い換えてもいい。

 「…………」

 一通り独り漫才を終えて落ち着いたのか、無言でアマリに視線を投げる。
 安らかな寝息を立てるアマリの表情は普段以上に緩く、電子レンジで温めすぎた餅のように蕩けていた。 安心しきって、と言うよりは警戒する必要性を感じていないのだろう。 端的に言えば、ユーリを男として認識していないのだ。

 「俺だって男なんですけどねぇ……」

 と言いつつ何もしようとしない誠実(ヘタレ)なユーリは釈然としない気持ちをため息に乗せて吐き出した。

 「差し当たっての問題は」

 手元に広げたマップに目を落とし、更に深いため息を追加。

 「こいつらだよな……」

 マップに映る光点がふたつ。
 十中八九、シィとフォラスだろう。 凄まじい速力でユーリのいるボス部屋に向かっていた。

 「このまま逃げ……たらもっと面倒になるか」

 ユーリを現在悩ませているのは、誤解されかねないこの状況をシィに、そして何よりフォラスにどう説明するのか、その一点のみだった。
 シィには誤解をされても実害はない(後でいくらでも説明の機会があると言う意味合いで、だ。 騒ぎにならないわけがないとユーリは判断している)が、フォラスに関して言えば実害しかないと言ってもいい。
 何しろアマリの旦那なのだ。 SAO攻略の最初期と言える頃から行動を共にし、その結婚生活は2年
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