暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
地に伏す桜色
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ズルズルと身体が落ちる。
手と足だけで身体を支えるのが困難になったのか、その場にへたり込んだアマリはユーリを見上げて力のない苦笑を漏らした。
「これ以上はご一緒できないよう、です。 とてもとても楽しかったのですけれど、やはり限界が、来てしまいまし、た」
切れ切れの声から苦しさや辛さは感じ取れないが、その声は徐々に小さくなっていくと、そのまま前のめりに倒れた。
何が何やらわからないながらも地面に倒れるのを庇おうとするユーリだが、その余りの重量に支えきれず巻き添えで倒れてしまう。 それでもギリギリで下敷きになるのを防げたのは僥倖だろう。
「大丈、夫、です。 敵は、もう……出ない、でしょう。 プレイヤーも、私とユーリさんを除、けば、フォラスとシィ、さんだけ、ですから……」
力のない動作で辛うじてウィンドウの操作を始めるアマリ。 直後、シュワッと言う、軽やかな音と共に最低限の金属防具が除装され、白と朱色のコートとロングスカートの上から巻いた丈の長い腰布だけが残る。 同時にアマリが最も気に入っていると豪語していた両手斧??本人はでぃーちゃんと言う極めて微妙なニックネームをつけていた??もストレージに格納された。
「こうしないと、フォラスが、背負え、ません……非力な、もやしには困った、ものです……」
驚くユーリにそう答え、大きく息を吐く。 最早声はか細く、ユーリでなければ拾えないほどだった。
「では、機会、があったら、また会いましょ、う……」
それが最後だった。
電池が切れた人形のような唐突さでアマリの全身から力が抜け落ちる。 自分の最も好きなパーツと言っていた桜色の髪は無残にも散乱し、垂れ目がちの瞳は完全に閉ざされた。 細く華奢な指が何かを渇望するように一瞬だけ動き、けれどそれも機能を停止してしまう。
沈黙。
「おい、アマリ」
答えはない。
「アマリ?」
答えはない。 ただの屍のようだ。
「おい!」
鋭い声は切迫している。 無造作に肩を掴み、揺すってみたが無反応で。
ギリっと歯を食いしばり、直後、ユーリは叫んだ。
「こんなところで寝てんじゃねえよ馬鹿かお前ぇえぇぇぇぇ?」
もっとも、その程度の大声で目を覚ますことはない。
アマリは場所も状況も考慮に入れず、爆睡していた。
「何が『機会があったらまた会いましょう』だ馬鹿。 俺がさっさと置いてどっかにいくと思ってたのかよ」
蟻の巣擬きから出て最初のボス部屋へと戻ったユーリは不機嫌そうに吐き捨てていた。 彼の傍にはアマリの姿。 さすがに放置は忍びないと、ここまで背負って来たのだった。
幸いなことに最低限の金属装備を除装していたの
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