暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
乱立する旗
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ミック、あるいはリーダーユニットの撃破でポップが止まるように設計されている。 しかし、そのギミックがまるで見えてこないのも事実。
 一度全ての敵を爆裂を以って殲滅した。 だと言うのにポップは続き、今の状況だ。

 「やっぱあれだよな」
 「多分あれですよね」

 そして再び同時にため息。

 2人の視線の先にあるのはボス部屋に開けられた横穴。 部屋に入った当初は気がつかなかったが、戦闘中にそれに気がついた。 そして、そこから蟻がわらわらと出てくる様も、だ。

 蟻と言うのは例外もあるが基本的には一個の母体??即ち女王蟻が繁殖能力を持たない雌と、繁殖のための雄を産み落とし、その数を増やす。 あの横穴から蟻が出てくると言うことはあそこが蟻の巣である可能性が高い。 そして、その先に女王蟻がいる公算も高いのだろう。

 「どうする?」
 「行くしかないでしょうね。 あまり狭いところは気が進まないのですけれど、この場合はそうも言っていられません」
 「巻き込まないでくれよ」
 「細かい調整はできないと言ったはずですよ。 もちろん大まかな調整は可能なので、極力巻き込まないようにはしますけど」

 2人が気乗りしない理由はそこにあった。 爆裂を使わずとも問題にはならないだろうが、最悪の場合の想定はしておかなければならない。
 これでアマリの隣にいるのがフォラスなら、爆裂の攻撃範囲を瞬間的に演算し、巻き込まれる前に退避することも可能だ。 何度も共闘し、何度も爆裂を見ればユーリにも可能になるだろう。 だが、ユーリが爆裂の存在を知ったのはついさっき。 さすがに合わせろと言うのは酷すぎる。

 とは言えそんなことを言っていられる状況でないのも事実。 このまま無限に戦おうと死の危険はないだろうが、しかし装備品の耐久値は減少していくし体力にも限界はある。 まだまだ逼迫はしていないものの行動を起こすのなら早いに越したことはない。

 「んじゃ、さっさと行くか」
 「わかりました。 では先に行ってください。 殿(しんがり)は私が務めます。 すぐに追いつきますから気にしないでください」
 「死亡フラグ立ててんじゃねえよ」
 「私、この戦いが終わったらフォラスと仲直りします」
 「フラグを増設すんな!」
 「もしも私に何かあったらフォラスにごめんなさいと伝えてください。 それと……今までありがとう、とも」
 「乱立させないでくれませんかねぇ!」
 「蟻さんこちら、手の鳴る方へ」
 「っだぁくそ、絶対追いついてこいよ! 絶対だからな!」

 抗議を無視して敵の集団に特攻したアマリを怒鳴りつけ、ユーリはその隙に横穴へと入っていった。
 挟撃されることを恐れての処置であり、特に他意はない。 だが、そこまで定型文の返答にアマリは思わ
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