暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
予想と疑惑
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あるいはホッとしたのかもしれない。
離れていくアマリの後ろ姿を見ながら、僕はそんなことを思った。
今のこの状況??見ようによっては浮気を疑われかねないこの状況で不可視の壁に阻まれたことをホッとした、と言うわけではないと思う。 我ながら判然としないのは慣れていないからだ。 この手の修羅場と言って言えなくもない状況に、ではなく、もっと単純に色恋沙汰に、だ。 それがわかるようになるには余りにも経験が乏しすぎた。
アマリに会えたのは嬉しい。 元気そうな姿を見て安心したのも本当だ。 それだけは嘘ではないと断言できる。 でも、安心したのもやはり事実だった。
正直に言って、まだ覚悟が決まっていない。 アマリに会う覚悟でも謝る覚悟でもない。 僕なんて不要だと断ぜられてしまう覚悟が、まだできていないのだ。
アマリは僕以外を求めない。
どう言うわけかは知らないけど、そう言う人格に固定されている。 リーナがまだ生きていた頃はもう少しまともだったけど、彼女が死んでからそれは更に顕著になった。 当時のアマリは僕以外とも繋がっていたけど、今はかつてのギルドメンバーとすら繋がりを絶っている。 リズさんやエギルさんとはそれでも交流があるらしいけど、それだって特別親しいわけではない。 アマリの世界はアマリと僕だけで完成されてしまった。
アマリにとって、リーナの死はそれほどまでに衝撃だったのだろう。 多分、それまでの全てが壊れてしまうほどに。
でもそれは、だからと言って僕との繋がりを断ち切ってしまわない理由にはならない。 別の誰かを選ぶ可能性だってゼロではないのだ。
例えばそう、ユーリさんだったりを。
そうなれば僕は不要となるだろう。 それが、何より怖いのだ。
「……って、おーい、フォラスー。 聞いてるー?」
気がつけば僕はまた思考の海に漕ぎ出していたらしい。 怪訝そうな顔で首を傾げるシィさんの声で意識が表層へと引きずり出された。
……と言うか、毎度毎度思うけど、シィさんの顔が近い。 どうにも男として全く意識されていないみたいで、意識されるのもあれだけど意識されてなさすぎるのもなんともあれだと思う。
「ごめん、聞いてなかった。 えっと、なんの話だったっけ?」
「さっさと合流しようって話。 今のルートが使えないならどこかに別のルートがあると思うんだよねー」
「あるいは何かのフラグを立てればあのルートが使えるって可能性もあるけどね」
「あ、そっか、そう言うのもありかー」
めんどくさー、と頭の後ろで手を組んでシィさんがごちる。 パートナーの浮気現場に見えなくもない光景を目の当たりにしたのにいつも通りだ。 随分ドライな関係性……なんてことはないだろう。
シィさんのユーリさんに対する思いの深
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