暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
予想と疑惑
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は互いの了承があったってことだね」

 了承もなく稼働するのならどちらかの層の地表に設置した方が遥かに安全なのだから。 それこそ王宮にでも設置されたら存在が露見することはないし、よしんば露見したところで装置を止めるためには戦争を仕掛けるしかなくなる。

 「パートナーに連絡を取って、向こう側の入口からこっちに来てもらう必要があったんだと思う。 こっち側からだとあの不可視の壁に阻まれるからね。 つまり先に進むためには向こう側からなんとかしてもらうしかない。 一方から装置にアクセスできるとしたら悪用される可能性もあるし、多分、両方からなんらかのフラグ立て……スイッチとかレバーとかそんな感じのを使うって言うのが安易なルートかな」

 そしてその段階でようやくあの不可視の壁は消失するのだろう。 恐らく、不可視の壁は最低でももう1枚あって、さっきアマリに殴られていた壁の先、2人が進んだ先にそれはあると予想できる。 それを解除するのに合流したメンバーで何かしらのアクションを起こす必要があり、その先がゴール。 つまりは装置、なんだと思う。

 「こっち側だけだと進めないって言う構造上、必ず向こう側からの救援が必要になる。 でも僕とシィさんは説明パートを聞いていない。 それで向こうだけに説明したら合流した時に聞かれてしまう。 これだけ精緻に背景設定がなされているのなら、説明パートを挟まないと決まった段階でそれをただの背景にすると決めたはず。 じゃないとエルティさんが言わなかった甲斐がないからね。 だから、どっちにも説明しない」

 これはSAOに存在する全てのクエストに共通する癖だ。 1人のシナリオライターでは不可能なほど膨大な量があるにも関わらず、全てのクエストに共通する癖がある。
 ひとつのクエストにいくつもの分岐を設ける点。 薄気味悪いほどの整合性。 攻略不可能な難易度のクエストを作らないと言う、クリエイター側とプレイヤー側との間に設けられた病的なまでの公平性。 そして、クエストの依頼主をただのNPCではなく物語の中心人物に据えるロマンチシズム。 NPCに人間味を持たせる背景設定。 他にも色々と。
 通常、クエストの作成は数人単位、あるいは数十数百人単位で行う作業のはずだ。 どれだけクリエイター側の基本方針を揃えたところでここまで共通した癖が出ることはない。 実際、今までプレイしてきたどのMMOでもそれはなかった。

 だと言うのに、SAOのクエストはまるで1人のクリエイターが作ったかのような有様だ。
 正直、かなり気味が悪い。

 「説明をしないでここに来させる方法で最も簡単なものは、問答無用説明一切なしでピンポイントに強制転移。 もしかしたらこっちの進行状況に合わせるためにここに直接じゃなくて他にも何箇所か転移させて時間稼ぎをした
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