暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
予想と疑惑
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プレイヤーの情報は一切合切全てを収集しようとしていたのだ。
 今でもそうしたいと思う。 と言うか、そうしないと落ち着かないんだけど、それでも行動に移さないようになったのは確かだった。
 それを成長と呼ぶのか慢心と呼ぶのかはわからない。 でも、変わったのは事実なのだ。
 より正確に言うのなら、変えられた、だろうけど。

 「ま、いいことなんでね? ちょっと雰囲気柔らかくなったし、誰も僕に近付くなバリアももうないしさ」
 「なにそれ」
 「Absolute Terror Field全開! みたいな」
 「人を汎用人型決戦兵器人造人間みたいに言わないでよね」
 「ふふん、人は誰もが持ってるものなんですぜー」

 頭の軽い応酬だ。 まあ、こう言うのは嫌いじゃないし、割と楽しかったりする。

 「で、なんの話だったっけ?」
 「フォラスが実は紫色でそのうち暴走して覚醒してグギャオォオォォォォってなる話」
 「ああ、あの2人がどうしてここにいるのかって話だったね」
 「流すなー! それにそんな話してねー!」
 「多分、こっちのクエストに引っ張られたんじゃないかな。 そうでもなかったらあの2人に接点ないでしょ?」
 「無視しやがった……後で後ろから刺す……」
 「これは予想なんだけどさ。 エルティさん。 多分、32層の王子のことが好きなんじゃないかな」
 「……待って、超待って。 なにそれ初耳」
 「エルティさんの右手の薬指に指輪があったの見た?」
 「あー、あった、かも?」
 「あったんだよ。 で、その指輪に付いてた宝石って32層で採取できるものだった。 レグレイト。 聞き覚えはない?」

 一瞬考え込む仕草をしてから首を横に振るシィさん。 まあ予想通りではある。
 あの宝石はアクセサリーの装飾に使うものなので裁縫スキル持ちのシィさんであれば知っている可能性もあったけど、そもそも産出量が極めて少ない素材で、しかもそのくせなんの追加効果も持たないただの石ころだ。
 美麗さを求める道楽プレイヤーならもしかしたら知っているかもしれないけど、実利を優先しがちな実践派プレイヤーの間では話題にさえならなかったどマイナーな素材だった。 僕が知っている理由は、アマリに贈る指輪を探していた時期があって、その頃収集していた情報の中にあったからだ。 アルゴさんがニヤニヤ顔で『これとかいいんじゃないカ』なんて言わなかったら気にも留めなかっただろうけど。

 「レグレイトはなんの変哲も無い綺麗な石なんだけどね。 32層に住む人たちにはちょっと特別な意味があるんだよ」
 「意味?」
 「石言葉って聞いたことあるでしょ。 有名どころで言えばダイヤモンドの《永遠の絆》とかってあれ。 婚約指輪にダイヤモンドが人気な理由なんだけど、それと同じで
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