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憂いの雨と陽への祈り
桜色の彼女
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ることは変わらない。 本来であればユーリが抜刀術を使わないように、あるいはユーリが言ったように、爆裂など使う必要もないほどのレベル差がそこにはある。 これが2、3しか違わないのなら覆しようもあるが、現在のアマリのレベルは90オーバー。 ユーリのレベルもそれに近いだろうとアマリは推測している。 実際は人狼スキルの《各種ステーテス上昇》の効果によって底上げしているだけでレベル自体がそこまで高いわけではないものの、しかし、その結果のステータスはアマリと同レベル帯のそれと遜色はない。
レベルの差が絶対と言われているSAOに於ける例外的存在と言っていいだろう。 もっともアマリはそんなこと知りもしないのだが。
一瞬の静寂。 直後、宙空にポリゴンの欠片が生まれ、それらが意思を持つかのように集う。
初めは身体。 次に腕。 脚。 頭。
ゴツゴツとした荒削りなシルエットが浮かび、僅かに瞬いたかと思えばそれは完成した。
《cluster ants》
見慣れないclusterと言う単語にユーリは首を傾げたが、モンスターの外見はもうひとつの単語が全てを表している。。
細長く伸びた3対の脚。 円筒形で細長い漆黒の体皮。 頭部には鋭利に発達した大顎。 くの字型に折れた長い触覚。 ギョロリと蠢く複眼。 腹部の先には鋭く尖った針。
今更これ以上の説明は不要だろう。 何しろ日本人にしてみれば最も馴染みの深い昆虫と言っても過言ではないのだ。
それは蟻。
体長1mほどもある蟻が金属を擦らせたかのような奇声を迸らせ、2人の前に出現した。
「うげぇ……」
げんなりとした調子でユーリが呻くのも無理はないだろう。 SAOの技術力でリアルな蟻が再現されているのだ。 日本人が一般的に蟻に対して忌避感を抱かないのは、そのサイズが極めて小さいからであり、1mもの巨体になれば話しは違ってくる。 極小であるが故に失念しがちだが、蟻は雀蜂の近縁種だ。 造形の凶悪さは最早議論の余地もないだろう。
「蟻、ですか……」
「虫は苦手か?」
「まさか。 得意とは言いませんけれど、殊更苦手意識はありません。 だって、叩けば殺せるのですから」
「物騒な理由だなおい……っと」
2人の会話を邪魔しようと意図したわけでもないだろうが、蟻は一際強く奇声を上て前衛にいたアマリに飛び掛かり??
「来る、ぞ……?」
??ユーリの忠告がアマリに届く頃には既に蟻は壁際まで吹き飛ばされていた。
「は?」
呆気に取られて目を丸くするユーリを誰が責められようか。 何が起こったのかは単純明快だからと言って、それを理解できるかは別問題だ。
1m程度はSAOに出るモンスターの基準に照らせば確かに大型とは言い難い。 レベルの差も大きく
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