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憂いの雨と陽への祈り
桜色の彼女
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ってないでさっさといくぞ」
 「ですね。 私もフォラスに早く会いたいですから」
 「喧嘩してたんじゃないのか?」
 「それはそれ、これはこれです。 そもそも喧嘩して家を出たのに別の女性と仲良くしているとはいい度胸ですよね。 お仕置きも兼ねて諸々してあげないといけません」
 「浮気ってこともないだろうけどな。 そう言えばあの2人って知り合いだったのか?」
 「さあどうでしょう。 私もフォラスの交友関係の全てを把握しているわけではないですのでなんとも。 けれど、リーナがシィさんに随分と興味を示していたのでもしかしたらその繋がりで知り合っていたのかも知れませんね」
 「なるほどな。 ん、ボス部屋、か?」
 「そのようですね」

 緊張感のない会話にシフトしていた2人の前に大きな扉が現れた。 フロアボス戦の際に見た荘厳さはないものの、それでもその巨大さは中々のものだ。
 扉に彫られたレリーフは歯車と石像。 判然としない図柄だが、だからと言って躊躇う理由もなかった。

 「先程も言いましたが、爆裂は攻撃範囲が広く、また威力も絶大です。 ユーリさんは巻き込まれないように注意してくださいね」
 「使わなくても倒せるだろ?」
 「一刻も早く会いたいので早々に倒してしまいます。 抜刀術とやらを惜しげもなく使って迅速に処理してくれるのなら爆裂の出番はなくて済むのですけど」
 「……今更だけどそんなにおおっぴらに使っていいのか?」
 「他言無用でお願いします」
 「わかったよ」

 さすがユーリさん、と。 そんな風に微笑してアマリは扉に手を掛けた。 膨大な筋力値を持つアマリだからこそ苦もなく扉を開ける。
 表情は未だに微笑。 余裕が崩れてはいない。

 「では、いきましょうか」

 その一言を残し、アマリは微笑のままボス部屋へと足を踏み入れた。

 「バックアップはお願いしますね」
 「巻き添えにならない範囲でならな」

 軽い調子で言いながらも周辺警戒を怠らないユーリにアマリは苦笑いを零しつつ、けれどその表情もすぐさま収斂する。 柔らかい微苦笑から怜悧で冷たい微笑に。
 顔のパーツの殆どが丸型で形成されているアマリがそんな表情をしようとも似合わないのだが、しかし瞳に宿る剣呑な光は見る者の背筋を凍らせかねないほどに鋭利だ。

 対するユーリも警戒のレベルを2段階ほど引き上げた。
 刀の柄に手を添える抜刀術の構えではないものの、そもそもの話し、抜刀術を使わずとも相当に強い。 フロアボス戦に参加しなくなったとは言え、鍛え上げた隠蔽スキルを駆使して人知れず最前線に挑み続けている彼は現役の攻略組と比べてもトップレベルと言っていい剣士だ。

 2人にとってここは低層域と言って過言ではなく、そのボスだろうと圧倒的に格下であ
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