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憂いの雨と陽への祈り
桜色の彼女
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られた。 それからフォラスに一応挨拶しておこうと思って視線を投げたら既にフォラスも背を向けている。 どうやら先に進むことにしたらしい。
「さて……」
俺も行くか、と踵を返してアマリの後を追った。
「??と、これで《爆裂》の説明は終了です。 言うまでもない注意点ですが、爆裂は細かい威力の調整や範囲の設定ができません。 最悪の場合、ユーリさんを巻き添えにするので気を付けてくださいね」
「頼むから巻き添えにしないでくれよ」
「保証はできかねます」
「できないのか……」
やれやれと肩を竦めたユーリは通路の天井を見上げ、小さくため息を吐いた。
追いかけて合流した時点でアマリの演技は消えていた。 フォラスに会えたにも関わらず不可視の壁に邪魔されたことが余程耐えられなかったのだろう。 今は本気でクエストクリアに臨んでいるのだ。
その本気の証明として、アマリは爆裂の情報を開示した。 メリットとデメリット。 かなり細かい範囲まで包み隠さず話したのだ。
SAOで情報がどれだけ重要な意味合いを持っているのか、そのことはもう説明の必要もないだろう。 奥の手の詳細、その欠点まで全て教えるなどそうはできない。 少なくともユーリはできなかった。
「お前は……」
「はい?」
「お前は聞かないのか? 俺のあれのこと」
立ち止まって気まずげに問うユーリ。
ユーリにも公開していない奥の手がある。 その存在を知っているのは相棒のシィだけの、徹底して秘匿にしてきた奥の手。 しかし、その奥の手は、頭に血が上って咄嗟に使ってしまいアマリに見られている。 だと言うのに何も聞かないのは気遣いなのだろう。
聞かず、問わず、けれど自分の手札を開示する。 それをフェアではないと感じてしまうのはユーリの勝手だ。 少なくともアマリに責めることはできない。
「言いたくないことは聞きません。 無理に聞き出す必要もありませんから」
「必要がない?」
「私の爆裂は他人を巻き込む可能性があります。 けれど、ユーリさんのそれは違うでしょう?」
「いや、その気になれば広範囲殲滅も可能なんだけどな」
「そこで張り合ってどうするのですか」
「……俺のあれは《抜刀術》。 単発、連撃、広範囲攻撃全てで構成されている。 汎用性が高く、遠距離以外全てのレンジに対応可能だ」
「おや、開示してしまっていいのですか?」
「……弱点は開示しないからな」
「お人好しですね」
「お前にだけは言われたくない!」
はいはい、とアマリは苦笑いを浮かべた。 垂れ目が一層垂れ、普段の緩さからは想像もできないほど大人びている。 まるで素直になれない弟を見守る姉のようだ。
「ったく、馬鹿なこと言
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