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憂いの雨と陽への祈り
脆弱なる主人
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戦闘パートは終了と言うわけだ。
このクエストが終われば僕はまた平穏に……いや、アマリのいない寂しい時間に逆戻りになる。 あの宿屋から飛び出してからは色々と激動だったので考えることもなかったけど、1人になればそうもいかないだろう。 独りになれば、考えないわけにはいかない。
「はあ……」
かなり気が重い。 正直な話、このままシィさんと馬鹿をやっていたい気分でさえある。
これが終わったら意地を張らず黒猫団のホームにでもいって彼らの手伝いでもしようかな。 ケイタさんも人手が足りないって嘆いてたし、考える余裕がなくなるくらいには忙しくできるかもしれない。
「って言うかさー」
余程暗い顔をしていたのだろう。 隣を歩くシィさんがヒョイと顔を覗き込んできた。
「なんで謝らないの? 『ごめん許して』って言えばアマリちゃんも許してくれるんじゃない?」
「むぐ……」
「なんだかんだ言いながら1人でいるほうが楽とか?」
「うーん、確かにそれもあるんだけど、なんて言うのかな……冷静になる時間が必要? うん、まあ、そんな感じ」
「冷静にって、アマリちゃんが?」
「いや、僕が」
ふぃーん、と適当に相槌を打ってまた前を向くシィさん。 興味がないのか納得したのか、あるいは踏み込まないほうがいいと思ってのことか。
なににせよ今はクエスト攻略に勤しんだほうがいいだろう。 考えるのはこの先いくらでもできるんだから。
と、階段がようやく終わる。
出たのはやや開けた空間。 円形の部屋で、僕から見て正面と左側に先へと続く道があり、その先は暗くて見通せない。
「ふむ、どっちに行く?」
「とりあえず左に行ってみよう」
「即答だね」
「そっち側に装置があるらしいからねー。 ほれ」
言いつつ可視化したウィンドウにマップを表示してくれた。 このマップデータはエルティさんからシィさんが受け取ったもので、これを元に最短距離をひた走っていたらしい。
らしい、と言うのは、シィさんの後ろをついて回っているだけだからだ。 気分としてはカルガモ。
「足取りに迷いがないと思ったらそう言うことだったんだね」
「そうとも知らずについてきてたの?」
「そりゃ僕は首を突っ込んでる側だからね。 特に必要がなかったら攻略方法に口は出さないよ」
「もしかして結構投げやり?」
「ああ、いや、そう言うわけじゃなくて、シィさんならヘマしないだろうって安心してるんだよ。 そもそも僕はあんまり先頭に立つタイプじゃないしね」
「へえ、ちょっと意外かも」
「そう?」
そんな適当な会話をしつつ進んでいた僕の視界に見知った桜色が映り込んだ。
「え?」
通路の先にアマリが立っていた。
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