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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
脆弱なる主人
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力はあるのだ。 いつまでも庇護対象扱いは失礼だろう。
「さて、じゃあいい加減行こっか?」
「ちょいその前に」
「ん?」
扉に手をかけた僕を止める声。
首を振り向けると頭を掻きながら冴えない表情のシィさんと目が合った。 らしくないと言えるほど親しくはないけど、それでもらしくない表情だ。 何かを言い淀んでいるのか、あるいは気まずい何かを抱えているのか。 どちらにせよ無視はできなかった。
「なに?」
「あー、これ、使っててもいっすか?」
言いにくそうに、ややおどけて言っているのはやはり僕に気を使ってのことだろう。 大鎌に対してそれなりに思い入れのある僕を慮っての言葉。 それを当然のことと享受できるほど僕の感覚も磨耗してはいなかった。
「いいよ。 いや、本音を言えばよくはないんだけど」
「やっぱり短槍に戻そっか?」
「ううん、大丈夫」
「…………」
「大丈夫だよ。 大鎌は嫌な記憶を呼び起こすけど、別に全部が全部嫌な思い出ってわけでもないから。 楽しかった思い出も、確かにあるから」
我ながら下手な言い訳だと思う。 声は掠れていて、きっと表情も沈痛なものなんだろうと思う。 それでも大鎌に関する色々な思い出もそろそろ清算しておかなければいけないと言うのも一応は本音だ。
大筋の理由が別にあるだけのこと。 嘘は、吐いていない。
「シィさんの前でカッコつけてもしょうがないから言うけどさ。 本当は怖いよ。 今でもそれを見ると足が竦む。 あの時のことを、彼女のことを思い出して、心が張り裂けそうになる。 悲鳴をあげて蹲りたい気分だ。 でも……」
「でも?」
「それでもそんな理由で生存率を下げるのは合理的じゃない。 僕の精神なんて構ってる場合じゃないことは明白だからね。 シィさんはそれがメイン武器なんでしょ? だったらそれを使うべきだ。 僕に気を遣う必要なんてない」
「薄々わかってたけど、やっぱフォラスって偽悪的だよね」
「……そう言うんじゃないから」
「おやおやー、照れてるのかな? かなー?」
「うっさい」
「うわ顔真っ赤?。 愛い奴よのう」
顔を背けて見ても回り込まれて覗き込まれる始末。 って言うかあの、顔近いんですけど!
「うむうむ、意外に純情でウブなフォラスに一個アドバイスね」
「なにさ」
「普段もっとツン成分を強めにしとくと君は立派なツンデレになれるぞ!」
「……さて、行こっか」
「無視すんなー!」
うがーっとがなるシィさんはまるっと放置していこう。 真面目に相手をするだけ体力が削られていく。 削られるのは精神力か? シィさんといつも一緒にいる彼の胃は大丈夫なのだろうか、なんてお節介なことを考えてみる。
そして考え
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