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憂いの雨と陽への祈り
屹立する旗
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に壊れてしまって以来そのままだ。 予備もあることにはあるが、このクエストが始まってから今の今まで他のプレイヤーの姿を見ることはなく、ほぼ確実にインスタンスマップだろうと予想できたからこそあえて出すこともなかった。
今すぐにでも着たいと言うのがユーリの本音ではあるが、アマリから放たれる熱視線による圧力(懇願とも言う)に屈した結果が現状だ。 ちょろいと言われても当然だろう。 そうでないにしても少なくとも甘くはある。 甘々と言ってもいい。
「ん、安置だな」
「安置ですねー」
「マップ的にここが最後の部屋だからボスでもいるかと思ってたけど……取り越し苦労か?」
「次回に続くーですかね?」
「次階に続くなのかもな」
気安い会話をしながら安置に入る2人。 そこには当然モンスターの影はなく、中央に下層へと続く階段があるだけだ。
予想通り次回に続くのか、あるいは次階に続くのか、兎にも角にもこの階層はここでお開きらしい。 今までは息つく暇なく転移させられていたが今回はそれもなく、このまま転移なく先に進めるのならそれは今までにない状況で、もしかしたらクエストに進展があるかもしれないと期待するのも無理はなかった。
正直な話、ユーリは今すぐにでもこのふざけたクエストを破棄してしまいたいと思っている。 しない理由はただひとつ。 できないからでしかない。
ウィンドウを操作しての破棄もできず、転移結晶も使えず、回廊結晶も使えず、外部との連絡も取れない。 どうあっても破棄できないクエストなんて今まで聞いたこともないが、しかし実際に現状がそうである以上そうなのだろう。 少なくともユーリはそう結論することで諦めたし、だからこそ先を急いでいる。 暫定相棒であるアマリの考えはユーリには全く読めないが、それでもこのまま意味のわからないクエストで時間を潰すことをよしとはしないだろうと思っている。
そんな状況で現れた先に進めるかもしれない機会。 早く飛び込みたくて仕方がなかった。
が……
「休憩にするですよー」
その宣言はアマリからだった。
いつも通りに緩い笑顔での宣言。 それでも有無を言わせない決定の語調だった。
ユーリの事情もお構いなしに喋るのは今に始まった事ではないが、ここまで強引なことはこれが初めてだ。 絶対に譲らないと、休憩すると、その目と声で語り、遂には腰を落ち着けてしまう。
「……お前はそれでいいのかよ?」
「今のユーリちゃんは焦りすぎです。 愛しの幼馴染ちゃんに今すぐにでも会いたのはわかるですけ??「そんなんじゃない」??会いたいのはわかるですけど、でも焦って先に進むのは危ないですよ?」
途中に挟まれた否定の言葉もまるで効果なく、アマリは緩い笑顔のまま唇を突き出して不満を表明しつつ
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