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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
フォラスの弱点。 あるいは欠点
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「じゃあありで」
「死ねぇ!」
頭の悪い会話をしながらの死闘である。
跳び上がったと思ったら短槍の投擲だったり、着地点を襲撃しようとしたら裁縫で使う中では割と大型な針が飛んできたり、かと思えば周囲に短槍を放り出して投擲を繰り返して見たり、普通の人はやらないような戦法を色々と披露してくれた。
僕個人としては実に面白い戦いだし、一部は参考になる戦法もあったりするけど脅威と言うにはまだ少し足りない。
レベルの差が完全には埋めきれていないのか、あるいは僕が段々シィさんに慣れてきたのかはわからないけど、このままケリをつける算段はついた。 それに力量の把握と言う点ももう十分だろう。 僕は殆ど手の内を見せていないので悪い気もするけど、このまま長引かせる理由もないことだし終わりにしようかな。
「うげ、槍が切れたー!」
「弾数計算くらいしとこうよ」
「うっさい! ここからがウルトラシィちゃんの本気の時間DAZE☆」
「はいは……」
い、とまでは言えなかった。
思わず硬直してしまう。
シィさんの本気。 それは主武装の開帳に他ならない。
そうだ。 シィさんは短槍遣いではない。 短槍遣いだった、が正解だ。 彼女の本気、彼女の本当の武装。 それこそは……
大鎌
彼女が好んで使う真紅ではなく、漆黒と紅色の大鎌。
全体の刀身が漆黒で刃が紅色。 柄との接合部には十字架の如き意匠が刻まれ、刃の逆側と柄の先端には更に小さな刃が付いている。 柄の長さだけでシィさんの身の丈を楽々と越すそれを、しかしまるで苦もなく構えてみせた。
扱いの極めて難しい大鎌だけど、シィさんはそれを完全に使いこなしている。 リーナをして《アインクラッド最巧》と絶賛していた人だ。 油断なんてできるはずもないし、全力の警戒で当たらないといけない。
いけない、のに……
「????っ」
視界がグラリと歪む。 息が荒くなっているのを冷静な自分が自覚し、けれど軋む頭が冷静な自分すらをも塗りつぶす。
わかってはいるんだ。 シィさんはリーナではないし、大鎌を使っているだけで重ねるなんて失礼な話だ。 わかっている、わかっているのに……。
「リーナ……」
ズキズキと軋む頭は鉛のように重い。 手足が動く気配はなく、霞む視界に黒い影を幻視した。
「違う……あれはリーナじゃ、ない……」
「フォラス! ちょ、大丈夫?」
「ん……大丈、夫」
「あー、あ……これ?」
「ううん、気にしないで。 続けよう。 動いてれば考えられなくなるから」
「でも……」
「いいから」
「……そ」
やれやれだぜー、と肩を竦めたシィさんの手の中で大鎌が翻る。
僕の説得を諦めたのか、あるいは気遣うこと
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