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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
フォラスの弱点。 あるいは欠点
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ーラスを跳ね上げようとするけど、右足の裏で手を押さえられて振り抜くことはできない。 ならばと引いて体勢を崩そうとするもののそれも予測済みだったのか、あるいは体幹がいいのか、バランスを崩すまでには至らない。 それどころかそこから右足が跳ね上がって僕の顔面に向かってくる始末だ。
戦闘勘まで一級品だなーと呑気に考えながら左肩を突き上げて防御。 同時に足首を掴もうと手を伸ばすけど先程振り抜いていた短槍の切っ先を地面に突き立て、それを起点に後方へ跳びつつ宙返りと言うアクロバティックな方法で回避されてしまう。
この間たったの1秒。
「……初手は譲るんじゃなかったの?」
「あれ? 手加減して欲しかった?」
「うわー、平然と嘘吐きだー」
「敵の言葉を信じるなんて甘ちゃんだね」
「絶対泣かす!」
「はい、頑張ってー」
開いた距離での言葉の応酬の後、再び距離を詰めての斬り合い蹴り合い殴り合いになる。
レベルは僕の方が間違いなく高いだろう。 だと言うのにこちらの攻撃は悉くが躱され、弾かれ、いなされる。 ステータスの差を類稀な戦闘勘で補強しているらしく、その立ち回りはかつての友を想起させた。
「隙、あり!」
「うげ」
一瞬の動揺を捕まえ、シィさんの身体が地を這う蛇のような動きで迫る。 させじとバックステップからの振り下ろしで迎撃しようとした僕の眼前で急ブレーキ。 リーチの短い僕の一撃は空振り、致命的な隙となる。
「喰☆ら☆えぇえぇぇぇぇぇ!」
弾むような声から一転、凄まじい殺意の滲む咆哮と同時に短槍が投擲される。 まあ、予想通りに。
顔面一直線に向かってくる短槍(殺意が高すぎないかな?)を首を傾けて回避しつつ、後方に飛んでいくそれを事前に開けていた右手で追い縋るようにしてキャッチ。 お返しとばかりに今度は僕から投擲のプレゼントだ。
「こら勝手に使うな! 某金ピカも怒っちゃうからね!」
とは言えそれも悠々とキャッチされて意味のわからない文句で戯けられてしまう。 いや、本当に意味がわからない。
ここまで完全に互角。 むしろ僕の方が押されていると言っていい。
トリッキーな戦い方をする人は何人も見たけど、シィさんは群を抜いて変則的な動きをする。 お陰で僕の行動予測がまるで役に立たない。
「ねえ、シィさんって本当に人間?」
「おいこらどう言うことだー」
「いやだって、人間の身体構造的にそんなヌルヌル動けるはずないんだけど?」
「仮想空間ならワンチャン!」
「そりゃ確かに関節の駆動とか筋肉の動きとか現実を完全に再現しきれてなっつぅおっ」
「ちっ、命冥加な」
「不意打ちとか卑怯じゃないかな?」
「お前が言うなって突っ込みはなし?」
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