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憂いの雨と陽への祈り
大きく振りかぶって
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たいだしちょっと休憩しよっか」
「おやおやー? まさかお疲れですかー?」
「まさか。 でもさすがにネームドボス連戦だったからね。 それに相談したいこともあるしさ」
ふーん、と返しながらシィさんはヒュンと投げ放った短槍の回収に勤しんでいる。 通常の投剣とは違ってコストが凄いことになるし、拾って使い回さないとやっていられないのだろう。 お財布にも敵にも優しくない戦法だけど、遠距離から一定のダメージソースが得られることの利点は相当に大きい。
このクエストが終わったら僕も試してみようかな。
「でさ、ものは相談なんだけど」
「うぃー?」
「ちょっとデュエルしない?」
「はいぃ?」
こいつ頭大丈夫か? と言う心の声が幻聴できるほどに訝しむシィさん。
いやまあ、大丈夫ではないから正解だけど、それでもこの相談は割と真剣なものだ。
「手の内を隠しすぎだと思うんだよね。 あ、お互いにね。 そりゃ完全に信頼できる関係でもないし仕方ないんだけど、それだといざという時の連携に響くでしょ?」
「一理ある……かも」
「だから実際に戦ってみればハッキリするんじゃないかなーって。 もちろん初撃決着でやるし、危険はないと思うけど……どうかな?」
「んー……んんー」
「嫌なら断ってもらってもいいよ。 この先ももしかしたら大したことないかもしれないし、わざわざお互いに手の内を晒す必要もないのかもしれない。 でも、懸案事項は1つでも潰しておかないと落ち着かない性分でさ」
心配のしすぎだとは思う。 でも、万が一の可能性は考慮しておかないといけない。
僕とシィさんとの突発コンビプレイは互いに知られても痛くない範囲内のみ、その手の内を明かしている。 それだけではどうにもならない事態にならないと、約束は誰もしてくれないのだ。
悩むこと数十秒。 シィさんはようやく決断したらしい。
僕をまっすぐに見つめ、その口角をあらん限り歪め、そして首を振る。 縦に、だ。
「いいよ、やろう。 手加減しない全力全開のシィちゃんを見せて進ぜよう」
「……全力全壊ね」
「字が違う!」
「どうしてわかったのさ……」
「そんな顔してたから。 って言うか、全壊はそっちこそじゃん」
「否定はしないでおくよ」
僕とシィさんとの間に流れていた緊張はすぐに霧散する。 互いの性格からか、どうやらシリアスに傾けないらしい。
「さて。 じゃあ、やろっか?」
もちろん全力全壊で、ね
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