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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
大きく振りかぶって
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「ん? 多分、最上層じゃないかな。 ここを外側から観察すると、最上層が無駄に広く作られてるんだよね。 だけど、実際の最上層はそこまで広くなかった。 だから、そこに隠し扉なりがある、と思う」
「ああ、そう言えばユーリが前にそんなこと言ってたかも」
「やっぱりあの人は目敏いね」
そこでようやくフォラスはクスリと笑った。
「んじゃ、最上層にレッツゴー」
「あ、いや、その前に装備変えていい?」
「ほい?」
「さすがに2人揃って長物って言うのは危ないかなって。 ここに出る敵のレベルくらいなら問題ないかもしれないけど、なにがあるかわからないしね」
「そりゃそうだけど、フォラスも私も長物しか使わないでしょ?」
コテンと首を傾げたシィにフォラスは微妙な間を置いて口を開く。 そこにあったのは迷いと葛藤で、けれどそれも一瞬だった。
「秘密にしておいてもらえると助かるんだけど、実はそれ以外にも手札はあってね」
「奥の手ってやつ?」
「そこまでじゃないよ。 隠し球、くらいかな。 でも広まるのはちょっと避けたいから使いたくはないんだけど」
「じゃあ使わなきゃいいんじゃない?」
「万が一のことを考えるとそうもいかないからね。 手の内を隠して危険に陥るなんて笑えないしさ」
やれやれだよ、とでも言いたげに首を振るフォラスにシィは疑問を感じた。
フォラスは攻略組の中でも上位に位置するプレイヤーだ。 ステータスバランスはシィの知る限りAGI特化。 故に危険な状況に陥ろうと逃げに専念すれば危険に追いつかれることはないはずなのだ。 ここが最前線より遥かに下である31層であることを加味すれば尚更。
だと言うのにまだ見ぬ危険のために隠しておきたい手札を晒すなんて、シィの中のフォラス像からは大きく離れている。
??あ、そっか
違う。
フォラスが心配しているのはフォラス自身のことではないと、少し悩んで気がついた。
フォラスが心配しているのはシィのことだ。
元攻略組であるシィ。 最前線に出なくなったシィの現在の実力をフォラスは知らない。 だから、フォラス自身が知る限りのシィのレベルに合わせて心配しているのだろう。
余計なお世話だと思う。 舐めるなとも思う。 だが、それを言葉にしないで気遣ってみせたフォラスの優しさに嬉しくもなった。
「と言うわけで他言無用で……って、なに笑ってるの?」
「フォラスってばお人好しだなーって」
「……そんなんじゃないよ。 僕の勝手だから」
ムスッとふてくされたように視線を逸らすフォラスについつい笑いがこみ上げてしまう。
以前のフォラスはもっと冷めていたし、周りに気を遣うことなんてしなかった。 自身に降りかかる火の粉は全力
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