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憂いの雨と陽への祈り
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て、人間的で、理知的だった。
しかし、それが故に言いようのない違和感に襲われるが、ユーリはそれを言葉に出さずに捩じ伏せる。
彼女は仕方がないと言った。
見せたくないと言った。
ならば見なかったことにするのがマナーだろう。 見てしまっていても詮索しない程度の分別は、ユーリだって持ち合わせているのだ。
「わざわざ脱がせたのは痛み分けって言う言い訳を成立させるため、か……」
「はい?」
「いや、なんでもない。 で、これの解き方は分かるのか?」
「ええ。 問題はどのルールが適用されているのか、ですが、それに関してはここに答えがありました」
ヒョイと、なんでもないような自然さで1枚の石板を拾い上げる。 その1枚を持ち上げるのにユーリは両手を使うところだが、アマリにとってはペットボトルを持ち上げるような気軽さであることに微妙な気分を味わいつつ、小さく冠りを振った。
「親切設計と言いますか不親切設計と言いますか、本当にやれやれですよ」
「ん、裏に、なんか……」
「11180。 これは多重魔方陣の解の一部です」
「は? どう並べたってそんな数にはなら……待て、この並びを和算方陣って言ったよな?」
「あくまで1つの呼び方ですが」
「ちょっと待ってくれ……」
はい、と微笑したアマリは石板を先ほどの位置に戻した。 特に急ぐ気もないようで、ユーリが解答に行き着くのを待ってくれるらしい。
「(わざわざ和算って言うのなら、和算じゃない魔方陣があるはずだ。 奴はさっき、乗算方陣ってのもあるって言ったし、それは間違いないはず。 和算がたし算、乗算がかけ算。 そしてこれが多重魔方陣……多重、多重……重ねる、多く、重ねる……あっ)……累乗?」
果たして、それは正解だったらしい。 自分より低い位置にあるアマリの頭が縦に振られる。
「つっても、これをそのまま累乗したらえらい数になるぞ。 一辺の和が260だから、単純に2乗するとして……67600?」
「……まさかとは思いますけど、計算したのですか?」
「まあな。 コツがあるんだよ」
「では、とても単純です。 石板の数字を2乗した場合の各列の和を同一にします。 もちろん2乗しない場合の和も同一にしてもらいますけど……できますか?」
「時間があれば」
「時間はありませんか?」
「ないとは言えないな」
「ではお願いしますね。 私は頭脳労働派ではないので」
ニコリと笑ったアマリは、次の瞬間にはいつもの緩い表情に戻ってユーリを見上げる。 早く指示を寄越せ、と言うことらしい。
答えを知ってるんならお前がやれよ、とは言わない。
気を遣った部分もなくはないが、理由の半分以上はミスの埋め合わせと単純に未知の数字パ
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