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憂いの雨と陽への祈り
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ているし、謝罪の印を求められれば応じるのも吝かではない。 と言うより、何事もなくスルーされてしまうほうがユーリとしては気持ちが悪いとさえ思っていた。 主に借りを作りたくないと言う都合で。

 だから大抵のことは頷くつもりだったし、余程のことでなければ従うつもりだった。
 だが、アマリの要求は個人的に余程のことに含まれている。 あくまで個人的に、であり、全裸になれなどと要求していない以上、道義的には余程のこととは言えないだろう。

 「じー」
 「…………」
 「じぃー」
 「…………」
 「じぃーーーーー」
 「……っああ、もうわかったよ」

 ジリジリと距離を詰めながら熱視線を送ってくるアマリにユーリは根負けした。 最終的には身の危険を感じたから、だが。

 「言っとくが触るなよ」
 「え、触るです」
 「即答かよ!」
 「お触りするです。 具体的にはモフるです。 モフモフするです」
 「……ちなみに断ったらどうなるんだ?」
 「脱ぐまで弄られ続けるのと力尽くで組み伏せられるの、どっちが嫌ですか?」
 「どっちも嫌だ!」
 「じゃあ、どっちもするです」

 即答のアマリ。 絶句のユーリ。

 正直な話、もし襲いかかってきても逃げ切れる自信がある。 筋力値が高いアマリは逆説、敏捷値が低いのだ。 諸々の事情によりステータスが大幅に上がっているユーリにとって問題にもならないだろう。

 ??ならない、けど……

 チラリとアマリを盗み見て嘆息。

 ??抵抗は無駄だよな

 そしてもう一度ため息。

 逃げ場があるならいざ知らず、閉鎖空間では逃げきれずにいつか捕まるかもしれない。 組み伏せられるのは流石に勘弁願いたいし、弄られ続けるのも精神的にキツイものがある。 現状でも十分精神的にキツイのだが。

 「……触るのはなしだ。 これ以上妥協はしない」
 「うぅー……わかったですよー」

 明らかに渋々と言った調子で頷いたアマリに頭を抱えたくなるが、それでも身の安全は確保できたのは僥倖だ。 アマリが大人しく約束を守る保証はどこにもないものの、こればかりは信じるしかない。

 今日最大のため息を吐き出してユーリはフード付きのローブを除装する。
 現れたのは絹のように煌めく銀の髪。 その顔立ちは少女然としていて、フォラスとはまた違った方向で精緻に整っている。
 なにより目を引くのは、その頭頂に屹立する耳と臀部から覗く銀色の尾だろう。
 これこそユーリがフードとローブを頑なに脱がなかった理由だ。

 エクストラスキル《人狼》
 ユーリ以外に習得者がいないのでもしかしたらユニークスキルなのかもしれない。 とあるクエストの報酬だったと思われるそれは、全ステータス上昇、戦闘系スキルレ
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