暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
その少年、外道につき
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考えを察したのか、シィさんは少しだけ身体を横にズラした。 ズレて空いたスペースに今度は僕が割り込む。
さて、これからは僕の土俵と言うことで、まずはシィさんの心配から順に切り崩していくとしよう。
「エルティさん」
「はい?」
「僕とシィさんはあなた達から見れば囚人だよね?」
「そう言うことになっています。 それとわたしのことはエルとお呼びください」
「囚人に依頼をするって言うのはどうなんだろうね? あなたがどんな地位の人なのかは正確にはわからないけど、そんなことをしたら家名に傷がつくんじゃないかな?」
「それ、は」
「それは?」
「も、問題ありません。 あなた方は些細な行き違いで捕らえられた、わたしの客人です。 客人にお願いをするのなら問題はないでしょう」
「つまり街で暴れた罪は不問にする、ではなくそんなことは起こっていなかった、ってことで対外的にはそれで押し切ろうと?」
「ええ」
「なるほど。 そのレベルの情報操作が可能な地位なんだね」
「むぐ」
「僕達を捕らえた人達??騎士団、だっけ? とにかくその人達の口を封じれるだけの権力を有している、と」
「……ノーコメントです」
「それだとさっきの発言が嘘なのかな? だとするとあなたのお願いは聞けないんだけど? 他ならぬあなたのために、ね」
「嘘ではありません! ええ、ええ! わたしは……わたしの家はあなたが言うように一定以上の権力を有しています!」
なるほどなるほど。 やけくそ気味に言ったエルティさんの言葉でおおよその枠組みは理解できた。
この人の家は騎士団を御せるだけの地位にいて、しかも罪を揉み消してまで僕達を客人として遇するだけの理由がある。 更に言えば囚人に依頼すると言う不祥事を不祥事ではなくするために罪を揉み消すのだから、つまり体面を取り繕わないと周囲から攻撃、あるいは批判を受けるようだ。
「つまり、罪はなかったと?」
「ええ」
「じゃあ依頼を断った場合の処遇はどうなるのかな?」
「そうなった場合、残念ですが牢に戻って頂きます」
「定型文での返答ありがとう。 でも、罪がないのにまた牢に入れるって言うのは厳しくないかな?」
「あ……」
「もちろん罪がないから抵抗するよ? 抵抗しながら今の会話を事細かに説明して回るよ? もちろん罪がないけど全部は信じてもらえないかもね。 それでもそう言うことがあったらしいって噂程度には広がると思うんだ。 ねえ、どう思う?」
「……広がる可能性は、否めません」
「で、そうなった場合、傷つくのはどっちなのかなーって思ったりして。 さっきも言った通り、この国の兵隊さんなら物の数にもならないし、本気で抵抗すれば捕まることは絶対にない。 リスクの天秤は、さて、どっ
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