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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
その少年、外道につき
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別にお茶会するためにわざわざ呼びつけたわけじゃないでしょ? だから、本題はよ」
「は、はあ、わかりました」
シィさんのテンションがよくわからないからか、部屋の主人である少女は困惑気味に呟いた。 気持ちはよくわかるけど、変人との交流は習うより慣れろだ。 彼女には強く生きてもらうとしよう。
「では、本題です。 ああ、その前に自己紹介がまだでしたね。 わたしはエルティ・ド……いえ、エルティです。 気軽にエル、とお呼びください」
「ご丁寧にドーモ」
「それでは気を取り直して本題に。 お二人は腕に覚えはおありですか?」
「うーん……それなりに?」
「あなた方はこの国の兵を??より具体的には部屋の外で待機している彼らを一蹴できますか?」
「やれるよー。 一蹴どころか鎧袖一触?」
「そうですか。 それはそちらの方も?」
エルティさんの指に嵌った指輪を注視していた僕は回答に一瞬遅れる。
「え? あー、そうだね。 今のところやる気はないけど可能ではあるかな」
そうですか、と冷静な声で答えながら、少女は僕たちの眼前で少しだけ居住まいを正した。 礼儀云々ではなく、いつでも逃げられるように準備したのかもしれない。 それでこそ今のところなんて言った甲斐があったと言うものだ。
「もしよろしければその力、我々にお貸し頂けないでしょうか?」
「それが本題?」
「ええ」
「具体的になにをすればいいの?」
「申し上げられません」
「危険が伴う可能性は?」
「申し上げられません」
「報酬は?」
「わたしにできる範囲内の限りであればどのようなものでも」
「ここから移動するの?」
「申し上げられません」
「……朝はパン派? ご飯派?」
「強いて言えばパン派です」
「初恋はいつ?」
「10年ほど前です」
「戦闘する予定があるの?」
「申し上げられません」
「スリーサイズは?」
「はちじゅ……申し上げられません」
「この子ガードが硬すぎるよ……」
一問一答の形にすらならない議論は平行線のまま、結果はシィさんの降参負けだ。 質問の方向性を変えてガードを緩めようと画策もしたらしいけど、それも無意味に終わったらしい。 途中でおかしな質問が混ざった気もするけど気のせいと言うことにしておく。
「ねえフォラス、どうする?」
「断るって言う選択肢はないの?」
「断ったら牢屋に戻される気がするんだよねー」
「ああ、そう言う心配なんだ……」
まあ、確かにその可能性はゼロとは言えないだろう。 そしてそうなればまた退屈な時間になるわけで、シィさんはそれが堪らないのだ、きっと。
「シィさん、選手交代」
「ほいほーい」
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