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憂いの雨と陽への祈り
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よう。 アマリと会えない今、やることもやりたいこともやらなければならないこともないから尚更だ。
それに……
「どうせすぐに動くだろうしね」
「ほい?」
「ただの予想だけどさ」
でもまあ、恐らくはそこまで外れていないだろう。 それを証明してくれるようなタイミングで僕の索敵に反応が出たわけだし。
ガチャガチャと言う硬質な足音と共に反応はどんどん近づいてくる。 これでようやく状況も動くし、シィさんも退屈しないで済みそうだ。
「??それでそれで……って、聞いてるですか!」
「いや、聞いてない」
「そんな悪い子にはお仕置きですねー」
「全力で耳を傾けますから勘弁してください!」
その2人は明らかに異質だった。
カラカラに乾燥した広大な砂漠のど真ん中。 周囲は人型の骸骨兵士と巨大なサソリに囲まれ、それらを屠りながらも危機感のない掛け合いを繰り広げている。
1人はフードを目深に被り、1人は桜色の髪を振り乱して踊る。 刀と斧との共演は敵となる害意を容赦なく刻み、砕き、斬り、潰す。
圧倒的な力の差は数の差を考慮に入れたところでただの蹂躙であり、然りとて彼女たちがそれを望んでいたわけではない。
「あ、ユーリちゃん、ちょっとしゃがむです」
「てめぇアマリ! 俺をちゃん付けで呼ぶな!」
一方が忠告と同時に斧を振るう。 もう一方は鋭い突っ込みを入れながらも身を屈めて頭上を通り過ぎる斧を見送った。 その斧の行き先は敵の一団がいて、ただの一振りで3体いた骸骨兵の命の悉くを喰らい尽す。 大振りの攻撃で隙ができた一方に襲い掛かろうとした敵は、もう一方が身を起こしながら振るった刀によってその生も瞬きの間に断ち切られてしまう。
連携と呼ぶには酷く歪な共闘。
舞い散る青いポリゴン片の中、ユーリとアマリは合わない呼吸とリズムで踊り続けていた。
「キリがないなぁおい!」
「じゃあ逃げるですー? 尻尾を巻いて逃げるですー?」
「誰、が!」
「だったら文句を言わずにキリキリ働くですよー。 ……キリがないだけに」
「全然上手くないからな! ドヤ顔するほど上手くないからな!」
刻む。 斬る。 バラバラに。
砕く。 潰す。 グシャグシャに。
当初は無限に思えた数の敵も既に数える程しかいない。
「あっはぁ!」
振り上げられた死神の刃は周囲の砂ごと敵を飲み込み、慈悲なく無へと返す。
「しっ?」
縦横無尽に駆け巡る迅雷の如き連閃は数多の敵を標的に、音なく命を摘み取る。
そうして最後の1体をポリゴン片に変えた2人は一瞬だけ視線を合わせて軽くハイタッチを交わした。
「うにー、さすがにちょっと疲れた
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