暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
お節介の代償
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従おうと抵抗しようと特に構いはしないのが本音である。
ヒュンともう一度短槍を回す。 ヒュンヒュンと続けて回す。 その間にも彼ら??クエストログから察するに騎士団??は少しずつこちらに迫ってきていた。
決断までの時間はない。 このまま放置すれば拘束しようと騎士団さんたちは動きかねないし、そうなったら自衛のための戦闘も止むなしだ。
「んー」
果たして……
「じゃあ、大人しく従おっかな」
「……いいの?」
「いや全然よくないけど! 一刻も早く探しに行きたいけど! でも、でもさ……噂レベルでも流れてないクエストってワクワクしない?」
なるほど廃人ゲーマーめ。
心中で呟いた突っ込みは聞こえていたのか、シィさんはニヤリといやらしく笑う。 顔にはお前が言うなと大文字で書かれている辺り、どうやら僕もワクワクが顔に出ていたらしい。
「了解。 とりあえず従うよ」
降参の意は肩を竦めることで表明するとして、雪丸の切っ先を地面に向ける。 さすがに除装するのは無警戒すぎると判断してのことだけど、隣にいるシィさんはなんの考えもないのか短槍をストレージに戻してしまった。
「大丈夫じゃない? なにかあってもカーソルの色からして素手でもなんとかなるし」
「まあ、そうなんだけどさ……」
「あ、もしかしてビビってるのかなー? 鶏なのかなぁー? へいへーい、フォラスの
臆病鶏
(
チキン
)
?」
「そこはせめて慎重って言ってほしいんだけどね、
無鉄砲
(
単細胞
)
さん」
「あれ? 喧嘩売ってる? もしかして押し売りされてる? いいよ買い叩いてあげましょー」
「ねえ知ってる? 身長って心の広さに比例するらしいよ。 あっ」
「身長のことをフォラスにだけは言われたくない!」
「はいはい小柄小柄」
「はいはいチビチビ」
なんだろう? 一瞬にして頭が悪い会話になったような気が……。 気のせいか騎士団さんたちも呆れてる感じだし……いや、さすがに気のせいだよね?
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