暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
お節介の代償
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僕たち出なくてもそうしたと思う。 状況がわかるまでは慌てず騒がず冷静に。 もしもの事態に対応するにはそこそこ腕が立つと言う前提条件は必要だけど、人手があったほうがいいのだ。
「さてさて、鬼が出るか蛇が出るか……」
「犬が出るって言うのがベストなんだけどねー」
「残念。 僕は猫派なんだよ??っと、来るよ」
「あいあーい」
カーソルが徐々に近づき、そのモンスターが姿を見せる。
「そこまでだ!」
果たして、路地から現れたのは立派な甲冑を着た一団だった。 外見は完全に人間のそれで、言葉を発し、体格も骨格も違わず人間だ。
予想していなかった事態に混乱しつつ横目でシィさんを見ると、僕と同様に状況を飲み込めていないのか、コテンと首を傾げていた。
それでもいつの間にやら装備していた短槍の切っ先は少しもズレずに甲冑の一団に向いている。 僕も自身の分身たる白一色の薙刀??雪丸をピタリと彼らに向け、そして彼らも彼らでこちらにそれぞれの武器を向けていた。
ハルバートに大剣、両手斧もあれば槍もある。 前衛らしき3人は巨大なタワーシールドを掲げ、袋小路にいる僕らを完全に包囲している風情だ。
……抜けようと思えば疾空で余裕だし、そもそも正面突破だって索敵でわかる向こうのレベルからも歴然だけど。
「街中で暴れまわっていると言うのは貴様らだな!」
「暴れまわって? って、ああ、さっきの……ほら、シィさんお呼びだよ」
「一緒にいたから君も共犯じゃない?」
「傍観が罪だとでも?」
「止めなかったから同罪、かも?」
「そこは断言してほしいかな」
「ええい! つべこべ言うでない! とにかく街の治安を乱す輩は拘束する! 抵抗せねば悪いようにはせんぞ!」
なんとも言えない微妙な空気の中でのやり取りを無視してリーダーと思しき甲冑槍装備の人が声を張り上げる。 と、同時に視界の端に1枚のウィンドウが出現した。
【騎士団との諍い】と書かれたウィンドウを流し見してシィさんに視線を投げると、彼女も同様に困った顔でこちらを見ていた。
これは時折発生する、フラグを立てたら強制的に起動するタイプのクエストなのだろう。 彼らの言動から察するに、フラグは《街区圏内での戦闘行為》と言ったところか。 もちろんそれだけだと結構な数のプレイヤーが立てて有名になるだろうから別のフラグがあるのかもしれない。
さて、どうしようか?
言外に視線で問いかけると何か考えるようにしながら、ヒュンと手の中で槍を一回転させた。 どうやら用事があるシィさんはここを力尽くで突破するか、あるいは大人しく彼らに従って時間を消費するかを天秤にかけているみたいだ。 首を突っ込んだ側の僕が決めるわけにもいかないし、なにより用事のない僕は彼らに
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