暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
憂いの雨と陽への祈り
それは雨の止まない
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出てけーーーーーーっ!』とのことだった。
 僕としては言い訳したいところだったけど、かと言って言い訳の余地はなく、またアマリに聞き入れるだけの余裕がなかったため、僕は大人しく家から追い出されることとなったのだ。

 自業自得因果応報。
 寝込みお襲おうとしたわけではないけどそう見える行動を取った時点で有罪だろう。 実際には思いとどまったとは言え、そう言う思考が頭を掠めたのは事実な訳だし。

 で、家を追い出された僕は31層に来ていた。

 31層。 別名《雨の国》
 由来はプレイヤーが知っている限りずっと雨が降り続けているからだ。 街の人たちに話しを聞けばこの雨は本当にずっと降り続けているらしい。
 SAOでは雨に濡れたところで風邪を引くことはないけど、だからと言って喜んで雨に打たれたがるような奇特なプレイヤーは少ない。 傘もあることにはあるけど戦闘を想定すればそれは邪魔でしかなく、しかも激しく動くと泥濘んだ地面に足を取られて転倒する始末だ。 SAOでの転倒はバッドステータス扱いなのですぐに起き上がることができず、ソロだとかなり危険な思いをすることになる。 パーティープレイでも足の引っ張り合いと言う面白くないことが起こるため、おおよそのプレイヤーはからここは敬遠されているのだ。

 つまり人目につかないわけで、僕のような日陰者には丁度いい層とも言える。 変装道具は家に置きっぱなしだし、かと言って黒猫団のホームに逃げ込むのも気分的に躊躇われた。 アマリに追い出されたのは自分でも意外なことに割とショックだったらしい。

 「いや、そりゃ僕が悪いんだけどさ……って言うかこのまま離婚とかないよね? ありそうだから怖いんだけど……」

 独り言を吐きながら雨の降る外を窓越しに見遣る。
 適当な宿屋に入ったものの、空模様と同様に陰鬱な気持ちは一向に晴れない。

 「ああもう、どうやって謝ろ……。 うあー、経験のなさが恨めし??ん?」

 ジメジメと湿気のこもった言葉を吐き出していると、眼下の路地を走り抜ける赤い人影が目に入った。
 圏内とは言え転倒すると服が汚れたり耐久値が減ったりするのに、そんなことをまるで気にしていないような疾走。 その速度は中々なもので、ハイレベルプレイヤーだと言うことが伺える。
 そこまではまあ気にするほどでもないし、別に他人がなにをしてようと僕の知ったことでもない。 けど、その後に3人の男が武器を片手に追いかけているとなると話しは変わってくる。

 ここは圏内だ。
 一部の例外を除けばいかなる手段を用いてもHPを減らすことはできない。 だから恐らく逃げていただろう赤い人が圏外にでない限りは安全と言っていい。
 けどそれはあくまでHPが減らない、と言うだけであって、武器を持った男に追い回される
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