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幻影の旋律
友達とこれからと
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えてても、許せないとこがあっても友達でいいんじゃないかな?」
「……でも、価値観の違いは衝突を生むから」
「うん。 じゃあケンカしようよ」
「は?」
無垢で無邪気で純粋な、真っ白な笑顔は眩しくて怖かった。
なんてことないように僕の理屈を跳ね除ける。 どれだけ言葉を重ねようと、その全てをたった一言で崩されてしまう、そんな感覚。
「やなことはやだって、ケンカすればいいんだよ。 私よく燐ちゃんに怒られるけど、燐ちゃんのこと大好きだもん。 たまになに言ってるのか全然わかんないけど、でも大好きだもん」
「でも……」
「いけないことしたら駄目だよーって叱るのも友達でしょ? だから、フォラス君がいけないことしたら私が叱ってあげる!」
「そんな簡単な話じゃない! 僕にとってあなたたちは邪魔なんだ! 友達なんて荷物、僕はもう持ちたくない!」
拒絶の言葉を吐いた僕に、ヒヨリさんの表情は笑顔から悲しそうなものに変わった。
そうだ。 それでいい。 僕のように血で汚れた人間とこれ以上関わっちゃいけない。 あなたは綺麗なままでいいんだ。
でも、ヒヨリさんが悲しそうな表情をしながら、僕のことをまっすぐ見て言った。
「だったらどうして泣きそうなの?」
「……え?」
「フォラス君、泣きそうだよ。 すっごく苦しそう」
「ち、違う! 僕は、僕はっ!」
「ホントは友達が欲しいんだよね?」
「違う!」
「誰かに甘えたいんでしょ?」
見透かしたような声に、僕の自制は崩れ去る。
言ってはいけない言葉。 感じてはいけない感情。 願ってはいけない願望。
僕のような破綻者には望む資格のないことを、僕は口にしてしまった。
「だったら! だったら……ヒヨリさんが僕の友達になってくれるの? 甘えさせてくれるって言うの? 寂しいって言ったら慰めてくれるって言うの?」
我ながら無茶苦茶もいいところだ。 こんなの子供のわがままだ。 支離滅裂で意味の一貫しない、ただの子供のわがまま。
僕が最も嫌い、僕が最も忌避する、僕の中の醜い部分が露出する。
「僕は人を殺した。 いっぱい殺した。 いっぱい、いっぱい……。 それでも僕の友達になってくれるなんて、僕を叱ってくれるなんて、そんなことできるわけない?」
「できるよ。 いけないことしたら駄目だよって叱ってあげるもん」
それはもう思考に時間を割いていない即答だった。
笑顔で、僕の目を真っ直ぐに射抜いて、ヒヨリさんは断言した。
できる、と。
僕の友達になると、迷いのない目で言う。
「それに私だけじゃないよー。 燐ちゃんもティルネルさんもクーちゃんもレイちゃんもリゼルちゃんもニオちゃんもアスナちゃんも、みんな
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