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幻影の旋律
お茶会への招待状
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 そこまで親しくない人の家にお呼ばれされたことに混乱していた僕を助けようと、アマリが姉であるアスナさんに救援要請を出してくれたのだ。 女の子の家に遊びに行く僕を監視して欲しいと言う名目で頼まれたアスナさんは、どうやら今日はオフだったらしく、二つ返事で了解してくれた。 聞けばアスナさんとヒヨリさんは仲が良いそうで、そう言う点でもベストな人選だ。

 「はあ……」

 さて、おしゃべりの時間は終わりだ。
 遂にヒヨリさんたちのホームに到着してしまった。

 「ねえアスナさん。 このまま回れ右しちゃダメかな?」
 「ダメじゃないけど、次に会った時に突撃されるよー」
 「ああ、確かにそんな気がする。 こっちが避けてもお構いなしで突っ込んできそう」
 「た、多分そこまではしないんじゃないかな」

 反論しながらも自信がないのだろう。 微妙に目が泳いでいるのがいい証拠だ。

 とは言え、ここまで来てしまったのだから腹を括るしかないのも事実。 招待に応じると決めたのは僕であって、誰かを責めることはできないのだ。

 「約束もあったことだし仕方ない、か……」
 「約束?」
 「色々あってね」

 やれやれと首を振ってから扉を叩く。
 ノックの音は僕の気持ちと裏腹に小気味よく鳴り響き、次いで「はーい」とヒヨリさんの無邪気で明るい声が届いた。 パタパタと音が近づいて、そして扉が開く。

 「あ、フォラス君、アスナちゃんも! いらっしゃい!」
 「こんにちはヒヨリさん。 今日は招待してくれてありがとね。 急な話だったから驚いたよ」
 「うぅ、ごめんなさい……でも、みんなでお茶会すると楽しいんだよ!」
 「……なんとなくフォラス君が嫌がってた理由がわかった気がする」

 シュンとしたかと思った直後にはキラキラとでも効果音が付きそうな笑顔を弾けさせるヒヨリさん。 それに顔が若干引きつる僕。
 わけ知り顔で生暖かい視線を投げてくるアスナさんを意図的に無視して盛大なため息をひとつ。

 嫌味も毒も通用しない相手は今までにもいたけど、ここまで純真無垢な反応を返してきた人はそうはいない。 怒るか苦笑するかくらいされればこっちとしても面白いのに、ヒヨリさんは真剣に落ち込んで、次の瞬間には復活している。 警戒も嫌悪もなく受け入れて、明るく楽しそうに笑うのだ。

 警戒している僕が馬鹿らしくなるような無警戒。

 歪みのない精神性は、けれどそれこそが歪んでいるように見えてしまう。 デスゲームと言う状況に於いてもブレない純粋さは、遠慮なく言ってしまえば異常だ。 明るく無邪気に自然体で。 そんなことがこんな世界で可能とは思えない。
 アマリでさえ時折ブレる。 あのリーナですらも夜毎にブレていた。
 純真無垢な精神にこの世界は残
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