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幻影の旋律
お茶会への招待状
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ろん断ると言う選択肢もあった。 確かにクエストではお世話になったけど、それはあくまで偶然の事故みたいなものだったし、そもそも攻略組との意図的な接触を禁じられている身だ。 その辺りを理由にすれば断るのも容易かっただろう。 角も立たない上に責任は某聖騎士様に押し付けられるので一石二鳥なのだ。
 でも、僕は来た。 来てしまった。

 だって、『ヒヨリさんはとても楽しみにしていますので、どうかお願いします』なんて手紙まで同封されいたらこないわけにはいかないだろう。 おそらくティルネルさんが書いただろうそれには見えないプレッシャーが含まれていた気がして、おいそれと無視できない圧力があったのだ。 妹を気遣う姉心なのか、あのポンコツ……失礼、抜け具合からはちょっと想像できない如才なさだった。
 提案者はきっとアルゴさん辺りだろう。 僕を逃さないための方策をさすがによく知っている。

 「はあ……」
 「そんなに嫌なら断ればよかったのに」

 何回目になるかもわからないため息に、同行者が苦笑交じりにそう言った。

 「嫌って言うか気が重いって言うか……だってどんなことを話せばいいのか全然わからないんだもん」
 「相変わらず変なところで口下手ね。 大丈夫、ヒヨリちゃんは良い子だから」
 「むしろ良い子だから困ってるんだけどね。 リンさんとかを相手にしてる方がまだ楽だよ」
 「……リン君も良い人だよー」
 「まあ根は良い人、って言うかお人好しっぽいのは認めるけど、その微妙な間でフォローが台無しだよ」

 同行者??アスナさんは僕のジト目を空笑いで誤魔化した。

 このお誘いに際して捕まえてきた人材だ。
 アマリはこのお誘いを聞いて即決即断で拒否を宣言した。 それはもはや考える間もない拒絶で、予想通りすぎる反応には苦笑いすらこぼれなかったことを明記しておこう。
 アマリの性格上、ヒヨリさんだからとかではなく、誰からの誘いであろうと単純に興味がないのだろう。 僕が行くからと言って必ず付いてくるわけではないし、むしろよく知らない人がいる場所には必要がない限り付いてきたがらないのだ。 人見知りではなく、人と繋がりたがらないアマリらしい選択だった。

 で、次に目を付けたのがアルゴさんだけど、誘うどころかメッセージすら届かなかった。 情報屋の仕事でダンジョンに潜っているのだろう。 キリトを誘おうと思ったけど、最前線の攻略で忙しそうだったので自重。 黒猫団の面々は中層ゾーンで今日も楽しくレベリング。 圏外に出ないサチ姉を連れ出そうとも考えたけど、あの人はあの人で人見知りなので除外。 クラインさんもエギルさんもそれぞれに忙しいらしいし、他の友人も軒並み用事があるそうで無理だった。

 そんなタイミングで名乗りを上げてくれたのがアスナさんだ。

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