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幻影の旋律
お茶会への招待状
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には不似合いな、可愛らしい花柄がプリントされたファンシーなもので差出人はおそらくクーネさんだろう。 内容はあの一件について。

 けれどリンさんはまるで予想していなかった人物の名前を言う。

 「……ヒヨリからだ。 詳しい内容までは知らん」
 「へ? ヒヨリさん? えっと……良いの?」
 「頼まれただけだからな」
 「いや、そう言うことじゃなくて……リンさんは僕がヒヨリさんにどう言う感情を向けているのか知ってるよね? それでも手紙なんて渡しちゃって良いの? 渡したって言って誤魔化すくらい簡単にできるはずなのに」
 「それを考えなかったと言えば嘘になる。 だが、あいつが誰に手紙を送ろうと俺がそれを止める権利はない」

 セリフだけ聞けば突き放したような言い方だけど、明らかに苦渋が滲んでいる。 未だに納得してはいないのだろう。 それでもこうして僕のホームを探る手間までかけて渡しにきたのはヒヨリさんに対する甘さなのかもしれない。

 だが、と。
 差し出された手紙を受け取った僕にリンさんが底冷えするような声で続けた。 その声は僕をしてゾクリとする、冷や汗が吹き出そうになるほどに冷たい声。

 「だが、もしもお前があいつに害を為すのなら、その時は容赦しない。 キリトの弟だろうと、クーネの友人だろうと関係ない。 それだけは覚えておけ」
 「ん、肝に銘じておくよ」







 本当に用件はそれだけだったらしく、手紙を渡したリンさんはさっさと引き上げて行った。 これから単身でクエストに向かうらしい。 相棒を置いてきていいのかと意地悪に聞いてみたところ、ソロ用のクエストだと誤魔化してきたそうだ。 スムーズに言い訳が出てきた辺り、恒常的にそれを使っているのだろう。

 「まあ、僕には関係ないんだけどね」

 はあ、と吐く息が重い。

 僕が今いるのは47層の主街区郊外。 お花畑に囲まれた一件のプレイヤーホーム……を見渡せる草原。
 遠目から見たところ中々に立派な造りの家だ。 随所に花々が咲き誇るこの層は女性人気が極めて高く、それを勘案してかプレイヤーホームの値段も恐ろしく高い。 多分だけど僕のホームと比べて倍はする気がする。 もしかしたらそれ以上するかもしれない。
 主街区の中心から大きく外れているから、隠れ家としてはそこそこ機能しているのかもしれないなと、そんなどうでもいいことを考えてから、もう一度ため息を吐いた。

 「お茶会のお誘い、ねぇ……」

 正直に言って気が重い。

 リンさんが持ってきてくれた手紙は、お茶会への招待状だった。
 手紙であってもあの無邪気さは健在で読むのに気後れしたのは内緒だ。 要約すれば『この前のクエストのお疲れ様会をしよう』と言うことらしい。

 僕にはもち
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