暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
星の瞬く空を見上げて
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敵はそこそこ鍛えてあるので人探しは得意だ。 隠蔽を使われると流石に微妙だけど、まあその心配はいらないと思う。 と言うか既に索敵範囲内に彼女を捉えていたりする。

 自然豊かな22層は諸々の都合からレベリングには不向きで、僕はあまり訪れたことはない。 ここが最前線だった頃に滞在していただけで、それ以来はさっぱりだ。
 だからだろう。 僕は知らなかったのだ。 この先に何が待っているのか、なんて……
 情報集取を怠っていなければ予想はできたはずだ。 あるいは僕が探しに行かず、彼女たちに丸投げしていただろう。
 けれど僕は何も知らず、呑気に彼女を探しに森に入ってしまった。 故に、事件は起こる。 もっとも、この時の僕はそんなことを全く予想もしていなかった。






 そこは小さな水場。
 外周から届く月と星の明かりが水面に映り、キラキラと幻想的な輝きを放っている。 吹き抜ける夏色の風は深夜だというのに生ぬるく、けれどそんな些事を不快に思う余裕は僕にはなかった。

 森の中の小さな水場。 月と星の照明。 水面から反射した光を浴び、キラキラと輝く彼女。 いつも縛っている赤い髪は解かれていて、水を吸っているのか普段とは違う色合いを見せている。

 「????」

 薄暗い視界の中でも色褪せない白い肌。 やや丸みを帯びた、けれど決して太っているわけではない女性的な身体のライン。 髪に隠れた横顔がチラリと見えて、それはドキリとするほどに美しかった。

 (って言うか腰細い!って言うか肌白い!なにあれ髪が下りてて普段と印象違うんだけど濡れてるのも色っぽいって言うかいやいやそんなことより目を逸らさないとって言うか女の子ってあんな下着着けてるんだうわ可愛い待とう落ち着こうこれは覗きだ悪意はなかったにしても覗きだ流石にこれはまずいし事故って言っても現状は明らかに事件だしって言うか肌綺麗なんですけど落ち着こう落ち着こう音を立てないように回れ右すればなんとか間に合うバレる前に逃げられるいやいや別に覗くつもりがあったわけじゃないから逃げるっておかしいけどここにいたら色々まずいここにいたら色々やばいバレる前に回れ右回れ右回れ右わうわ鎖骨綺麗)

 完全にショートした思考回路は冷静さを奪い、足は竦んだように動かない。 目も彼女を中心に捉えて動かず、彼女の動きに合わせて反射的に動くだけだ。

 このままでは見つかってしまう。 いくら友達だとは言え大問題なこの現場が見つかれば僕は最悪犯罪者になってしまう。 いや、と言うかそもそも全力で目を逸らさないといけないのに、わかっているのに、僕は彼女に釘付けになっていた。

 ????と

 「……ん?」
 「あ……」

 ????そこで

 「……え?」
 「あぁ……」

 ???
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