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幻影の旋律
恐怖のお胸様事件簿
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の。 だからお願い、僕を1人にしないでよ」
「あーもう、わかったよ。 仕方なーー」
レイさんの承諾は最後まで聞けなかった。
聞き慣れた《爆裂》の轟音が辺りに響き、全ての音を塗り潰す。 見れば地面を踏み砕いた体勢のアマリと目が合って、そしてアマリはニッコリととても良い笑顔を見せてくれた。
どうやら僕とレイさんが仲良く話していることに大変ご立腹らしい。 嫉妬深いアマリの単純明快な苛立ちの発露は僕とレイさんを容易く沈黙させる。
「ふふ、もしかして浮気ですか?」
「いやいやまさか僕が浮気するわけないでしょそんな勘繰りはレイさんにも失礼だようんうん」
おっかなすぎて句読点すら挟む余裕がない。 仮想体だからあるはずもないけど、冷や汗がダラダラと流れる気分だ。 冗談を差し挟む余地すらない。
「えっと、それでなにを思いついたのかな?」
「ふふふ、私より大きな人たちがいるから私が小さいと言う扱いを受けるのです。 と言うことはつまり……」
そこで溜めるアマリに嫌な予感がひしひしだけど止める手段は僕たちにはなかった。
「私より大きな胸を全て切り落とせば万事解決です」
「猟奇的すぎるよ??」
「大丈夫です。
ここ
(
SAO
)
なら痛みを感じませんし、私のSTRなら一瞬で済みます」
「そう言う問題じゃないからね??」
「それにどうせ切っても生えてきますから」
「生えるって??」
「もちろん、生えてきたらまた切り落としますけれど」
「問題だらけだよ??」
「……煩いですね。 あなたから切り落としましょうか?」
「絶対に嫌だからね??」
「…………」
「無言ででぃーちゃんを構えるなー??」
レイさんの絶叫は安全地帯に響き渡った。
それから繰り広げられた鬼ごっこはそれはもう凄惨だった。 胸を賭けた恐怖の鬼ごっこの結果がどうなったのかをここで明記することはないけど、それでもまあひとつだけ。
唯一狙われなかったニオちゃん……ドンマイ。
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