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幻影の旋律
恐怖のお胸様事件簿
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ぐるりと視線を巡らせたところで、ようやく諸々の事情が理解できた。

 その年頃の女の子と限定せず、日本人と言う大きな分類の中でさえ明らかに飛び抜けて豊かな胸部を持つヒヨリさん。 ヒヨリさんよりは常識的ではあるものの、それでも胸部の膨らみが大きいレイさん。 サラシを巻いているらしいからそこまで目立たないけど十分の豊満なバストを持つリゼルさん。 以上3名が胸を隠すように手を交差して、羞恥か怒りかで顔を赤くさせていた。
 加えて、アマリと同様になだらかな平原をその胸に宿すニオちゃんと、2人に比べればまだ辛うじて膨らみがあるとは言ってもアマリたちの仲間にカテゴライズされるであろうティルネルさんが自身の胸に手を当てたままピクリとも動かないのだ。
 おそらくは自身の胸にコンプレックスを持つアマリの八つ当たりが牙を剥いたのだろう。 向いたのはあるいは魔の手、かも知れないけど。

 胸が大きい人に対して複雑な感情を抱いているアマリが何をしたのかはおおよそ察しがついたけど、被害者たる彼女たちに僕はなにも言えなかった。 僕がアマリを責められるわけもなく、かと言ってどんなフォローをしようと確実にセクハラ扱いを受けることは間違いない。 胸の話題はデリケートかつ深刻なので、男の身としてはスルーが安全策なのだ。

 「フォラス……私は、私はぁ……」
 「はいはい、まったくもう……」

 けれど、アマリのショックは想像以上に大きかったらしい。 僕の胸に擦り寄ってくるアマリの髪を撫でながら辺りを見回すと、ニヤニヤと笑うクーネさんとばっちり目が合った。 どうやら助け舟を出す気はないらしく、しかもさりげなく僕とリンさんをうまく使ってアマリの視界に入らないようにする徹底ぶりだ。 関わらないのが得策だと言う判断には激しく同意だけど、僕はそう言うわけにはいかない。
 ……と言うか、僕と2人きりの時でさえ見せてはくれない素の姿を大勢の前で見せている現状はどうにも複雑だ。 薄々自覚はしていたけど、どうも僕は独占欲が強いらしい。 全く以ってやれやれである。

 「ねえティルネルさん。 どうにかできる薬とかないの? ほら、エルフの秘薬でさ」
 「そんな便利な秘薬があるのなら、私が真っ先に使っています……」
 「あ、ごめん……」

 なんとかしようと解決策を探そうとしたら、ティルネルさんの傷を抉ってしまったらしい。 沈痛な表情で俯いてしまったティルネルさんには謝罪の言葉をかけておいて次だ。

 「リゼルさーー「悪いけど無理さね。 服である程度誤魔化すことはできても、アマリくらいになるともう……」

 もはや食い気味の否定である。
 まあ、服でどうにかこうにか誤魔化すと言うのは僕も以前試したことがあるからよくわかる。 あれは散々な結果しか生まない。

 「レイさ
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