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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
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似合っているとここに明記しておく。 もっとも、手に持ったままの《でぃーちゃん》が微妙に台無しにしている感はあるけど。
「あはー、リゼルの姐御がくれたですよー。 『変装の必要があるさね』って言ってたです」
「ん、ああ、そう言うことね」
短い問答で色々と納得だ。
僕とアマリは現在、言い訳の余地もなくオレンジプレイヤーだ。 当初の予定であればカルマ解放クエストを受けるまでクーネさんたちが同行するはずだったので問題はなかったけど、今は肝心のクーネさんたちがいない。 つまり、僕たちの潔白(アマリは明らかに有罪だけど)を証明してくれる人がいないので、誰かに見られたら大問題間違いなしだろう。
それでも僕はまだ普段から変装しているし、ストレージにもいくつか変装道具があるのでなんとかなる。 本気で変装すれば僕を男だと認識することはできなくなり、そうなれば僕の身元が割れることはないと言っていい。 こう言う時、性別が曖昧な外見は便利だ。
問題はアマリで、桜色の髪は良くも悪くもかなり目立つ。 桜色の髪=アマリと認識されてもおかしくないくらい、その桜色は有名なのだ。 故に変装する場合、まずは髪色をどうにかしないといけない。
《小さな子を着せ替え人形にする》と言う犯罪スレスレどころか明らかに犯罪臭がする理由で常備していたであろう髪の染色アイテムを使ってくれたのは、この場合で見れば幸運だ。 ついでに言えば趣味に走りすぎないで無難に纏めてくれたこともありがたい。
友達として、と言うよりはお針子としての仕事に対する報酬は後でアルゴさんを通して払うことにしよう。 少なくとも、もう以前のように会うことはないだろうしね。
「ほんと、いい人たちすぎるよ……」
「ですです?」
「あの人たちがさ、いい人たちすぎるなーって。 僕が持つには不相応な友達だったね」
「あはー、今更すぎるですよー」
「だね。 高望みがすぎたんだろうね。 だから破綻した。 自業自得としか言いようがないよ」
「寂しいですか?」
「ちょっとね。 けど、仕方ないよ」
言って、僕はアマリの手を握る。
いつもの熱が僕の思考を溶かしてくれる。 胸の中に渦巻いていた寂寥感と罪悪感を全部、全部溶かしてくれる。
トロトロに、トロトロに。
「僕はアマリがいてくれればそれでいい。 今回のデートはそれを実感するためにあったんだろうね、きっと」
ーーオマエのみたいなイカれた野郎が友達なんて持てるはずがねえだろう?
ーーイカれたオマエはイカれたオレたちの仲間だ。
ーーなあ、兄弟?
「うるさいよ……」
幻聴に小さく返して、僕は更にアマリの手を強く握る。
アマリはいつも通り緩く笑って僕の手を握り返してくれた。 それもまた、いつも
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