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幻影の旋律
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ゃないかって、そう思ったんでしょ?」
「ーーーーっ、それはっ」
「誤魔化さなくていいよ。 それに、そう思われて当然だしね」
我ながら情けないくらい自嘲の伴った口調だ。 意外なことに、どうやら僕は結構本気で傷ついていたらしい。 それでもクーネさんを責められるわけもない。
「クーネさんは僕たちのことを庇ってくれたし、擁護もしてくれた。 攻略組から追放された僕たちに色々と便宜を図ってくれたのも感謝してるし、攻略組に戻った僕たちを真っ先に受け入れてくれたことも感謝してる。 でも、でもさクーネさん。 クーネさんは僕がしたことを許してはいないんだよね?」
「…………」
「『気持ちはわかるけど認められない』かな? 『罪に問うつもりも罰を与えるつもりもないけど、絶対に許しはしない』とか、そんなところだよね?」
「……ええ」
「ふふ、クーネのそう言う真面目なところ、結構好きだよ。 糾弾しない残酷さを知ってるはずなのに何も言わないクーネさんの優しさと厳しさも好き。 僕のことを信じようとしてくれる甘さも好きだし、でも結局信じられなくて落ち込む繊細さも好き。 うん、好き」
端から聞けば愛を囁いているように聞こえるかもしれないけど、僕が言う《好き》の意味合いは恋慕からは最もかけ離れている。 聡明で感情の機微に聡いクーネさんはもちろん簡単に察したのだろう。 悔しそうに下唇を噛んで、けれど何も言わない。
「知ってると思うけど、ここは安全地帯だからモンスターは出てこないし、人もまず来ない。 何をするにしてもここは最適なんだよ」」
「待っーーーー」
「僕は僕の罪を誰よりも知ってる。 僕が友達なんてものを求める資格がないことも知ってる。 ……クーネさんたちに甘えて友達を続けてきたけど、多分ここが限界だよ」
我ながら冷たい声音だと思った。
この先を口にすればクーネさんを、クーネさんたちを傷つけることになると思うのは自惚れだろうか? そうあって欲しいと言う醜い願望が頭の片隅をよぎり、それでも傷つかないで欲しいと思うのはわがままなのだろうか?
けれど、ここが限界だ。 これ以上僕のような異常者の友達を続けるのは、ここまでが限界だろう。
僕と友達であり続ければ、今回のようなことがまた起こる。 価値観の違いが精神を蝕み、疲弊させ、迷いを生む。 この世界で迷いとは最悪の劇毒だ。 迷いを抱いたまま戦うのは自殺行為に等しい。
クーネさんたちが傷つくさまは見たくない。 だからこそここで断ち切るしかない。
「僕はね、クーネさん。 何人も人を殺した。 そこに罪悪感はないし、後悔もしていない。 これから先、もしも同じ状況になったら、何度だって人を殺す。 何人だって殺せる」
宣誓。 と言うには些か血生臭い宣言をここ
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