暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
決別
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
けられているのだから本当に始末が悪い。 そう言うところがクーネさんらしいと言えばらしいところではあるけど。

 「あーもう……リゼルさん、前言撤回」
 「あん?」
 「ちょっと行ってくるから後はお願いね」
 「おう、任せときなね」

 即答の了解に苦笑しつつ、その場でターン。 首を傾げるアマリの頭を軽くひと撫でしてから、スタスタとクーネさんに歩み寄る。
 とっくに気がついているだろうし、僕とリゼルさんの会話は何も小声でやっていたわけでもないので当然聞こえていたはずなのに、それでもクーネさんはこちらを見ようとしない。 頑なに、あるいはいじけたように。 僕に非があるとは言え、その行動にイラっとしたので、俯いたままの頭を軽く叩いた。

 「へぶっ……」
 「……ちょっとこっち来て」

 突然漏れた可愛い悲鳴に少しだけドキッとしながらそれを必死に隠して、努めて淡々と言う。
 無言で頷いたクーネさんを先導するように、先を行くみんなとは違う道に入る。 あの隠しダンジョンは環状構造だったからこうはいかないけど、ヴェルンドさんがいるこのダンジョンは普通に入り組んだ構造なので脇道に逸れ放題だ。
 ダンジョンから出るだけなら向こうのメンバーだけでも余裕だし、アマリの相手もリゼルさんたちがやってくれるだろう。 普段であればアマリが最優先だけど、今はクーネさんをなんとかしないといけないし、そこは我慢といこう。 ……後が若干怖いとか、気にしたら負けだ。

 適当に歩いて数分。
 幸いなことにモンスターに出くわすことなく目的地に到着した。
 そこは、ダンジョンの中央に位置する開放部。 中庭、と言う雰囲気がぴったりだろうここは、薄暗いダンジョンの中にあって日が差し込み、適度に木々が生え、草花が地に彩りを添えている。
 一応は安全地帯扱いらしいけど、そもそも人気の少ない層にあるダンジョンの入り組んだ先にあるため、ここまでくるプレイヤーはかなり少ないだろう。 人気のない場所にクーネさんを連れ込んだ、なんて知れたら攻略組の面々に袋叩きに遭いかねない所業だ。

 「……さて、少し話そっか?」

 そんな恐怖の未来を振り払って、僕は適当な倒木に腰掛けると隣のスペースを示して言う。 ここまでくれば諦めたのか、特に抵抗するでもなく座ったクーネさんは、それでもまだ観念していないのか、一向に無言のままだ。

 「ねえ、クーネさん」

 生憎と腹芸は苦手な僕だ。 寄り道も雑談もせずにさっさと本題に入ってしまおう。
 結果、大切な友人を失おうとも、ここでクーネさんの迷いを断ち切っておかないと攻略に響きかねない。 今の状態のクーネさんを放っておけば、ちょっとした戦闘で死んでしまいそうだしね。

 「クーネさんはあの時、僕がヒヨリさんを殺そうとするんじ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ